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【ランキング】「勉強になる」日本の歴史漫画は何? 第1位は坂本龍馬も登場のあの名作


日本の歴史漫画について、歴史人編集部にハガキやメールで寄せられたアンケートの回答を集計。今回は「歴史漫画で、あなたが『歴史好きになった』『勉強になった』漫画(〜男性向け編〜)は何か?」という設問に寄せられた答から、5位から1位までを発表します。(アンケート回答者/男性:女性=8:2、総票数:470票)


高知市浦戸の桂浜公園に設置されている坂本龍馬像。和服にブーツ姿で、はるか太平洋の彼方を見つめている。

第5位 『ゴールデンカムイ』『お〜い!龍馬』 投票数:48票(同数)

 

 第5位は、いずれも48票を集めた2作品『ゴールデンカムイ』と『お〜い!龍馬』。野田サトル原作の『ゴールデンカムイ』は、2014年から週刊ヤングジャンプで連載がスタート、累計部数約1,800万部を超える人気作品で現在も掲載中。マンガ大賞2016や第22回手塚治虫文化賞「マンガ大賞」に輝いた名作だ。

 

 明治時代後期、北海道を舞台にアイヌから奪われた莫大な埋蔵金をめぐって、一攫千金のサバイバル劇が繰り広げられる。これまで漫画で取り上げられることが少なかった「アイヌ」を、”明るく強いアイヌ”という視点で描いていることでも話題を集めている。

 

 同票の『お〜い!龍馬』は、武田鉄矢原作、小山ゆう作画。1986年から1996年まで11年間に亘って連載された。漫画だけでなくテレビアニメや舞台化もされ、年代的にも歴史人読者にとっては馴染み深い作品の一つだ。虚実入り混じったギリギリの大胆な設定で、幕末のカリスマ・坂本龍馬を生き生きと描いた名作だ。

 

第4位 『バガボンド』  投票数:60

 

 第4位は井上雄彦の『バガボンド』。吉川英治の小説『宮本武蔵」が原作で、1998年から『モーニング』で連載がスタート。第4回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞などの賞も受賞した名作で、2015年以後、休載している。

 

 主人公は宮本武蔵で、巌流島の決闘があまりに有名な剣豪・佐々木小次郎を始めとする武芸者が登場。戦国から江戸へと移り変わろうとしている時代、剣の時代も終焉を迎えるなか、剣士としての自己を確立しようと武蔵がもがく様が感動を与える。

 

 同作品に1票を投じた人からは「漫画界の歴史に残る大作だと思う」「生き方そのものを、この漫画から学んだ」「作品の全てが絵画のように美しい」「リアリティがあり、最強とは何かを考えさせられた」など、熱い言葉が寄せられた。

 

第3位 『るろうに剣心』  投票数:65

 

  僅差で第3位となったのは『るろうに剣心』。週刊少年ジャンプに、『るろうに剣心 ー明治剣客浪漫譚ー』が1994年から1999年まで連載、続編の『るろうに剣心 ー明治剣客浪漫譚・北海道編ー』は2017年から連載中だ。

 

 主人公は、幕末に、人斬り抜刀斎(ばっとうさい)として恐れられた伝説の剣客・緋村剣心(ひむら・けんしん)。明治維新以降、「不殺」(ころさず)を誓い、流浪人となって全国を旅する剣心が、宿敵たちと戦う様は世代を超え多くの人々の心を掴んだようだ。実写化された映画シリーズでは、佐藤健が主役を務め、昨年2021年に第4作と第5作が公開された。出演俳優たちは日本アカデミー賞や日刊スポーツ大賞、ジャパンアクションアワードなどで新人賞やベストアクション賞などを、また作品もファンタジア国際映画祭の観客賞や日本アカデミー賞の話題賞などを受賞している。

 

第2位 『花の慶次』 投票数:105

 

 105票を集め、第2位となったのは『花の慶次 ー雲のかなたにー』。原作は時代小説の名手・隆慶一郎(りゅう・けいいちろう)、漫画は原哲夫(はら・てつお)が担当。戦国時代の武将・前田慶次(まえだ・けいじ)の破天荒な生き方を描いた人気作品だ。

 

 主人公の前田慶次は、加賀藩主・前田氏の祖である大名・前田利家の兄・利久の養子となった戦国の武将。天下一のかぶき者として知られるが、一方で文化的な素養も兼ね備えた人物だったという。漫画で、身の丈が六尺五寸(197cm)以上あった大柄の武士として描かれた。史実で裏付けられているわけではないが、この漫画の影響か、大柄なイメージが歴史ファンを中心に定着しているようだ。姿形のインパクトに加え、自由奔放なエピソードも多いためか、「主人公がとにかくユニーク」「慶次を始めとする登場人物が個性的」などと、男性だけでなく女性の票も集めた。

 

第1位 『JIN ー仁ー 』 投票数:105

 

 そして第1位は、105票を集めた村上もとか原作の『JIN』。2000年に『スーパージャンプ』で連載が開始され、2010年の最終回まで長きに亘って人気を博した。2009年に放映されたテレビドラマでは大沢たかお、綾瀬はるからが出演して高視聴率をマーク。また国内外の賞を数多く獲得し、2011年には続編も放映された。

 

 ある事件をきっかけに江戸時代にタイムスリップした脳外科医・南方仁(みなかた・じん)が主人公で、医療器具が整っていないなか、人々の命を救おうと奮闘する。英雄・坂本龍馬との交流も描かれ、自らも幕末の動乱に巻き込まれていく……という物語。

 

 票を投じた人の多くが「漫画もテレビドラマも、どちらも面白い!」「現代の医師が当時の医療環境のなかで可能な限り技術を発揮して、病人を治療。ストーリーの面白さに引き込まれます」などとコメント。物語そのものに魅了された意見が数多く寄せられた。

 

 

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歴史人編集部れきしじんへんしゅうぶ

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古代の都と遷都の謎

「古代日本の都と遷都の謎」今号では古代日本の都が何度も遷都した理由について特集。今回は飛鳥時代から平安時代まで。飛鳥板蓋宮・近江大津宮・難波宮・藤原京・平城京・長岡京・平安京そして幻の都・福原京まで、謎多き古代の都の秘密に迫る。遷都の真意と政治的思惑、それによってどんな世がもたらされたのか? 「遷都」という視点から、古代日本史を解き明かしていく。