日本の美意識を象徴する刀剣の世界を観る姫路市立美術館特別展 「日本の心象 刀剣、風韻、そして海景」
編集部注目の歴史イベント
我々が今日想像する日本刀は、平安末期頃から出現したといわれている。時代を経た現代では、美術品として高い評価を受けている。その他にも、様々な創作物で扱われておりその人気ぶりがうかがえる。この度、姫路市立美術館の文化観光拠点計画認定記念特別展として 「日本の心象 刀剣、風韻、そして海景」が開催される。本展は、日本の美意識を象徴する刀剣の刃文の美を手掛かりに、日本の風土が培ってきた深淵にして豊穣な心象風景に触れ、 その世界観の独自性、また普遍性を多彩な視点で探求しようとするものである。
■姫路市立美術館 文化観光拠点計画認定記念特別展 「日本の心象 刀剣、風韻、そして海景」

姫路市立美術館文化観光拠点計画認定記念特別展 「日本の心象 刀剣、風韻、そして海景」
第1章「刀剣の光陰」| HAMON―Light and Shadow

国宝 《太刀 銘 国行(来)》/鎌倉時代中期 13世紀/刀剣博物館(公益財団法人日本美術刀剣保存協会)
第1章では、国内の名刀29口とともに当館所蔵・寄託の姫路ゆかりの刀剣20口、計49口の刀剣を各時代の特徴を示しながら、「直刃(すぐは)」「のたれ」「小乱れ」「互(ぐ)の目」「丁子(ちょうじ)」「涛乱(とうらん)」「皆焼(ひたつら)」 などの刃文の典型をはじめ、「沸(にえ)」や「匂(におい)」などに象徴される美意識のかたちを、平安時代から現代まで続く刀剣の歴史を、「 古刀の風景」、「新刀以降の風景」、「未来へと繋ぐ風景」の3つの節に分けて展観できる。
第 2 章:風韻、そして海景 | Resonances and Seascapes

杉本博司《ティレニア海、コンカ》/1994 年/公益財団法人小田原文化財団 ©Hiroshi Sugimoto/Courtesy of Gallery Koyanagi
第2章では、時間や人間存在についての思考を写真で表現する杉本博司の「海景」シリーズを刀剣の刃文に対峙させている。現代の刀匠と鍛冶師・明珍兄弟による音(明珍火箸)と光彩(刀剣)のインスタレーションをプロローグとして、 日本をはじめ世界各地の海をモチーフに水平線を中心とする同構図で撮り続けた「海景」の景色を展観し、刃文と波紋の悠久の対話を体感できる空間を創出している。1章、2章を通じて、過去から現在、そして未来へと伝播する美意識の可視化を体験できる。
第3章:たまはがねの響 | TAMAHAGANE―Echoes of Light

庭園アートプロジェクト 「たまはがねの響 音と光のインスタレーション」(2020 年度実施風景) 作曲:菅野由弘「星雲光響 2021」、玉鋼製明珍火箸群:明珍宗敬、 光インスタレーション 2021 制作:佐野誠
第3章では、美術館の前庭を活用し、姫路市民が誇る絶景として、城・美術館・庭園が三位一体で生み出す唯一無二の景観を世界に発信している。姫路の名品・明珍火箸(兵庫県指定伝統工芸品)の音色を素材に制作した音楽作品を、菅野由弘(作曲家)の制作・監修の下、独自の音響世界を創造・体験することができる光と音のインスタレーションとなっている。
開催概要
主 催 姫路市立美術館
共催 一般財団法人林原美術館
特別協力 姫路しらさぎ刀剣会
協力 公益財団法人小田原文化財団、ギャラリー小柳、 京都国立博物館
全日本刀匠会、株式会社テレビせとうちクリエイト、
公益財団法人日本美術刀剣保存協会、 有限会社明珍本舗
早稲田大学理工学部表現工学科 ※50 音順
後援 朝日新聞姫路支局、NHK 神戸放送局、神戸新聞社、 産経新聞社神戸総局
サンテレビジョン、播磨時報社、 播磨リビング新聞社、姫路ケーブルテレビ
姫路シティ FM21、毎日新聞姫路支局
読売新聞姫路支局、ラジオ関西 ※50 音順
開催期間 2021 年 7 月 3 日[土] - 9 月 5 日[日]
休館日 月曜日(但し 8/9 は開館)、8/10[火]
開館時間 10:00 - 17:00(入場は 16:30 まで)
※会期中の金・土曜日および 7 月 22 日(木)は 特別夜間開館のため
20:00 まで開館(入場は 19:30 まで)。
会 場
姫路市立美術館
第1章「刀剣の光陰」および第 2 章「風韻、そして海景」は企画展示室、
第 3 章「たまはがねの響」は前庭で開催。
〒670-0012 兵庫県姫路市本町68-25
価 格
一般 1200(1000)円
大学・高校生 600(400)円 中学・小学生 200(100)円
※( )内は 20 人以上の団体料金
※同展入場券で常設展示室もご覧いただけます。
お問い合わせ 姫路市立美術館
TEL:079-222-2288
Email:himeji@tm-office.co.jp
公式サイト https://www.city.himeji.lg.jp/art/0000008990.html