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もうすぐ五輪開幕!! 日本のスポーツの歴史をたどる東京国立博物館『東京2020オリンピック・パラリンピック開催記念 特別企画「スポーツ NIPPON」』

編集部注目の歴史イベント


 1964年、高度経済成長期のただなかにあった日本は東京オリンピックに沸いていた。あれから57年、再び東京の地でオリンピックが開催される。そこで、東京2020オリンピック・パラリンピックの開催を記念し、東京国立博物館にて『東京2020オリンピック・パラリンピック開催記念 特別企画「スポーツ NIPPON」』が開催される。本展では日本におけるスポーツの歴史と文化を、東京国立博物館と秩父宮記念スポーツ博物館が所蔵する美術工芸品や近現代スポーツ資料を通して紹介している。江戸時代以前と明治時代以降の日本スポーツの源流と発展を見ることができる。


 

1964年東京大会 金メダル 昭和39年(1964) 秩父宮記念スポーツ博物館蔵

 

第1章 美術工芸にみる日本スポーツの源流

 日本のスポーツの歴史は古く、原始・古代までさかのぼる。そのルーツは、貴族の宮廷行事、武士の武芸、庶民の遊戯、そして神事や芸能など多種多様であり、相撲・流鏑馬・蹴鞠といった伝統文化や、剣道・弓道などの武道として、現代まで受け継がれている。これらはまた、心身を鍛え、ルールのもとで互いの技を競い合うという意味では、現代のスポーツやオリンピック精神にも通じているといえる。

 

 第1章では、こうした江戸時代以前の日本スポーツの源流を、東京国立博物館が所蔵する絵画や工芸などの美術作品によって紹介している。

重要文化財 男衾三郎絵巻 おぶすまさぶろうえまき(部分) /鎌倉時代・13世紀 東京国立博物館蔵 前期展示

 東国武士が弓馬の鍛錬に励む様子を描いた絵巻物。弓術と馬術は武士の武芸として重視されていた。

重要文化財 獅子螺鈿鞍 平安~鎌倉時代・12~13世紀 嘉納治五郎氏寄贈  東京国立博物館蔵

 鎌倉武士が用いた重厚かつ華麗に飾られた鞍。展示されているのは、「柔道の父」といわれる嘉納治五郎氏が東京国立博物館に寄贈したものである。

 

第2章 近現代の日本スポーツとオリンピック

 第2章では、近代から現在に至るまでの日本スポーツの歩みを取り上げている。

 

 日本には古くから伝統的な文化と密接に結びついた「スポーツの源流」というべき、身体を伴うさまざまな活動が存在した。明治以降、「スポーツ」という概念が海外より受容され、とくに、オリンピックは日本にスポーツを普及・啓発する上で重要な役割を果たした。

 

 ここでは、日本における初期のスポーツ用具や用品、オリンピックへの参加、そして招致・開催を実現していった過程を、秩父宮記念スポーツ博物館の所蔵資料を中心に紹介している。

1964 年東京大会 聖火トーチ、ホルダー(左)と男性用の聖火ランナー用シャツ、パンツ(右)/秩父宮記念スポーツ博物館蔵

 1964年東京大会で使われた聖火トーチ。火薬を詰めた円筒のトーチ部分を、黒いアルミ合金のホルダーに差して使用されたものである。

 聖火リレーの走者には、男性はランニング、女性は三分袖シャツに、パンツとシューズが支給された。シャツとパンツはポリプロピレン混紡糸で、白の清潔さを印象付けた。

 

ベラ・チャスラフスカ(旧チェコスロバキア女子体操選手)ユニフォーム/秩父宮記念スポーツ博物館蔵

 アジア初のオリンピック開催となった1964年東京大会の女子体操で、個人総合金メダルを獲得したチャスラフスカ選手のユニフォーム。

 

【開催概要】

主 催 東京国立博物館、秩父宮記念スポーツ博物館、読売新聞社
協力 公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会
後援 公益財団法人日本オリンピック委員会
開催期間  2021年7月13日(火)~9月20日(月・祝)
前期展示 7月13日(火)~8月15日(日)
後期展示 8月17日(火)~9月20日(月・祝)
     月曜日休館 (ただし、8月9日(月・休)、9月20日(月・祝)は開館)
開館時間  9 : 30〜17 : 00 (入館は16 : 30まで)
会 場
  東京国立博物館 平成館企画展示室
  〒110-8712 東京都台東区上野公園13-9
価 格
  総合文化展観覧料および開催中の特別展観覧券(観覧当日に限る)でご覧いただけます。
  総合文化展料金一般 1,000円、大学生 500円高校生以下および満18歳未満、満70歳以上の方は無料。
  ※入館の際に年齢のわかるものをご提示ください。
  障がい者とその介護者1名は無料。
  ※入館の際に障がい者手帳等をご提示ください。
  事前予約制(日時指定券)です。入館にあたって、すべてのお客様はオンラインでの日時指定券の予約が必要です。予約方法については、入館方法のご案内ページをご覧ください。
お問い合わせ 050-5541-8600(ハローダイヤル)
公式サイト
 https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=2111

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