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岸和田の「うまい!」に迫る『偉人メシ』イベントを岸和田城で開催!

オリジナルの「岸和田ちらし寿司」に舌鼓を打つ!

岸和田城二の丸広場と登録有形文化財「五風荘」に宿泊

 

 岸和田市市制100周年の記念事業として、8月21日(土)〜22日(日)の2日間にわたり、城下町泊体験イベント「気分はタイムトリップ! 岸和田城下町堪能の二日間」が実施された。

 

 今回は歴史人編集部が、イベントの企画・運営として関わり、コンテンツを提供。本イベントは、「岸和田城および城下町を活用し、観光客に特別な体験をして欲しい」という岸和田市の考えに基づき、参加者のみならず周辺施設や関連事業社を含めて、城下町泊の機運を醸成するために企画された。

 

 今回のイベントは、申込者の中から、厳正なる抽選を経て5グループ15名を無料で招待。

 

 宿泊場所として、岸和田城二の丸広場と、旧寺田財閥堺寺田家の二代当主別邸として建設され、平成20年12月5日に岸和田市指定文化財として認定された「五風荘」 2エリアが用意された。

 

 岸和田城二の丸広場では、キャンピングカーなどの車中泊が行われ、ライトアップされた岸和田城の絶景を目の前に宿泊することができた。五風荘も、現在、本格的な和食料理の飲食店として活用されるなど、いずれも普段は宿泊することができないエリアのため、特別な宿泊体験となった。

 

 そして、イベント全体のオープニングを飾ったのは、歴史人が監修した「岸和田藩主 岡部一族の偉人メシ」をテーマとしたトークショー。

 

 今回は、ゲストとして、本誌連載「偉人メシ」で料理監修を務める料理研究家・きじまりゅうたさんが登壇し、司会進行はABCテレビアナウンサーの増田紗織さんが務めた。

右:きじまりゅうたさん 左:増田紗織アナウンサー

 冒頭できじまさんは、「お祭り好きなので、泉州地域に来てみたかった。街を歩くと練習風景もみることができて、気分が上がった」と話し、「だんじり祭以外でも岸和田の有名なものが何か?」など、参加者とのコミュニケーションを交えながら軽快なトークでイベントを盛り上げた。

 

 今回のトークショーのテーマは、『岸和田の“うまい理由(わけ)”』。20224月に発行した「泉州人 vol.1」制作に向けて発掘された、「岸和田地域で活躍してきた偉人たちの、“うまい”立ち回りや“うまい”技術が、現在の食や文化がうまい理由に繋がっている」という、岸和田地域の眠っていた歴史資源を活用した内容で構成された。

当日はABCテレビ「おはよう朝日 土曜日です」の取材も入り、増田アナウンサーが岸和田の“うまい”を体感しながら、レポートした。

 また、食文化研究家・永山久夫先生が監修した岡部一族の再現レシピ「岸和田とのさまオ~うまいごぜん」は、御膳料理の基礎知識と共に、永山先生へ事前に取材した内容をきじまさんが伝授。当時の日記をもとに描かれた御膳は、海の幸や山の幸がふんだんに用いられた料理が満載で、豊かな海と広大な山に挟まれた、岸和田市の特徴を表しているようだ。

地元の参加者に岸和田地域の食の魅力を聞きながら、トークショーを展開。

 フィナーレは、岸和田食材を活用したきじまりゅうたさん考案アレンジレシピのデモンストレーション。岸和田市で採れる水なすやいちじく、パプリカに加えて、釜揚げしらす、白身魚を使ったオリジナルの岸和田ちらし寿司を仕上げた。ちらし寿司を試食した市長も「これは新たな岸和田の名物になる」と太鼓判を押した。

岸和田市で採れた食材をベースに作った「岸和田ちらし寿司」。彩りも豊かで、食欲をそそる盛り付けに。

 トークショー終了後、参加者は五風荘に移動し、先程の岸和田ちらし寿司を含めた特別メニューを堪能。食後には、岸和田城を舞台地として撮影された映画『G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ』を鑑賞し、初日を終えた。

 

 2日目は、呈茶・甲冑体験やだんじり会館など岸和田城の周辺を散策。甲冑体験に参加した方からは「甲冑がこんなに暑いとは思わなかった。これを着て馬に乗って戦をするなんて、信じられない」という感想も。午前中の体験を終え、城下町堪能の二日間は幕を閉じた。

 

 関西国際空港から、特急で15分程度とアクセスのよいエリアであるものの、旅行者が立ち寄ることが少ないという課題を抱えている岸和田市。今後は、「世界に一番近い城下町きしわだ」として、近年注目されつつある「城泊・寺泊」や、自治体の持つ歴史資源・施設を活用した取り組みを通じて、大阪観光の1つの目的地として立ち寄ってもらえるように、岸和田城や城下町の魅力を発信し続けてゆくそうだ。

 

イベント前に岸和田市市長・永野耕平さん、きじまりゅうたさん、増田アナウンサーで岸和田の魅力について対談を行った(※撮影時のみ、マスクを外しました)。

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歴史人編集部れきしじんへんしゅうぶ

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