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鉄壁の縄張りを誇る築城名手の居城【熊本城】

史上最強の熊本城の歴史 Part.2


熊本城といえば〝見上げるほど高く急な石垣〟。それだけではなく幾重にも折れた虎口やそびえる巨大な櫓など、最強の防御がなされている。戦国一の築城名人・加藤清正による壮大な城の実体とは。


 

敵の侵入を許さない勾配の石垣と何重もの虎口
緻密かつ様々な仕掛けが折り重なる“欲張りな”堅城

 

現在の熊本城の鳥観図

 

 熊本城は、北側から続く京町(きょうまち)台地の突端に位置する茶臼山丘陵一帯に立つ。そのため、立地の分類からすると、平山城となる。また、南部を流れる白川(しらかわ)に合流していた坪井(つぼい)川・井芹(いせり)川を切り離して内堀にしている。そのため、東側から南側にかけては坪井川、西側は井芹川に守られた天然の要害であった。そのうえ、北端には堀切を設けている。

 

 熊本城は、丘陵東端の最高所を本丸とし、その周囲に平左衛門(へいざえもん)丸・数寄屋(すきや)丸・飯田(いいだ)丸・東竹(ひがしたけ)の丸・竹の丸・西出(にしで)丸・奉行(ぶぎょう)丸など複数の曲輪を配していた。このあたりの曲輪は総石垣となっており、反りの強い高石垣は「武者返(むしゃがえ)し」と呼ばれている。こうした高石垣の上には、さらに櫓や塀が建てられており、敵の侵入を防ぐ鉄壁の守りとなっていた。

 

 本丸から西へゆるやかに下る位置には、広大な二の丸・三の丸が配されている。

 

 さらに、清正が築城する以前から存在した隈本城、隈本城より古い千葉城の遺構も、そのまま熊本城に取り込まれている。万が一敵に熊本城を攻められた場合には、隈本城・千葉城の遺構を出丸として利用するつもりだったと見ることもできよう。

 

天守閣

天守閣三重六階建ての大天守と二重四階建ての小天守からなる。日本有数の規模を誇る。震災後の修復を終え、現在、見学可能。

 

宇土櫓櫓として日本有数の規模を誇る三重五階地下一階、高さ19mの櫓。石垣高さ21m。※被災し現在修復中

 

二様の石垣熊本城の代名詞「武者返し」の石垣。右が加藤清正期、左が加藤忠広期のものとされる。

 

長塀坪井川に面した242mの長塀。国指定重要文化財。江戸時代には石落があったという。震災後の修復を終え、現在、見学可能。

 

西出丸と二の丸の間の土塀150m以上の長塀。下見板張の腰壁を付け狭間と石落も備えている。
※被災し現在修復中

 

未申櫓西出丸の南西角にある三階櫓。塀で囲まれたこの一角には役所機能が集められた。

 

飯田丸五階櫓巨大な櫓で外観は三重だが、内部は五階建てである。
※被災し現在修復中

 

馬具櫓城の南入口を守る櫓。馬具を納めていたと考えられている。
※被災し現在修復中

 

戌亥櫓
防御拠点とされた西出丸の北西角に立つ二重三階の櫓。※被災し現在修復中

 

数寄屋丸二階御広間かつて、能や茶会、歌会の場所となり、接客の場として使われていた建物。※被災し現在修復中

 

虎口
6度にも折れ曲がり敵の侵入を防ぐ役割を果たした虎口。
※被災し現在修復中

 

(写真提供/熊本城総合事務所)

 

2016年「熊本地震」被災…。瀕した危機‼
遠い道のりにも負けず完全復活へ‼ 復興城主求む

 

熊本城

美しい熊本城を再び!復興する熊本城を見学できるように設けられた特別見学通路。

 

 戦国の築城名人・加藤清正の築城から400年。鉄壁といわれる縄張りや日本人なら一度は目にしたことのある武者返しと呼ばれる急勾配な石垣などを有し日本三名城の1つに数えられる。明治初めに西南戦争に巻き込まれ、一度は焼失するも熊本市民の熱意により復活。その歴史のなかで危機を乗り越えてきた。

 

 そんな熊本城を悲劇が襲った──。平成28年に発生した「熊本地震」である。熊本城は江戸時代や明治時代にも地震や水害による天災に遭遇してきたが、平成28年の地震はその中でも大規模なものとなった。重要文化財建造物13棟、復元建造物20棟の被災、石垣の崩落・膨らみ・緩みなど517面と、甚大な被害報告が記録されている。

 

崩壊した石垣想像以上に悲惨な崩落をした石垣。多数にわたる被災箇所はまだまだ手が回り切っていない。

 

 現在、復興に向け修復中ではあるが、道のりは遠く長い。復興が完了するのは2037年度になるという。とくに困難とされるのが「石垣の積み直し」。緻密に積み上げられた石垣は加藤清正による築城当時のものもあり、崩落した石材は元の位置を違わぬよう、厳密に作業が行われている。

 

 修復の力となっているのは、なんといっても全国から集まる寄付によるところが大きく、総額50億を超えたという。その寄付金は復興する熊本城を見学できるように設けられた特別見学通路の開設や天守閣・長塀の修復に活用され、これらの作業は実現・完了した。今もなお、完全復旧・復興を目指し、全国の人々に協力を求める「復興城主」プロジェクトは活動中である!

 

復興城主とは…?

平成28年熊本地震により甚大な被害を受けた熊本城の復旧・復元は、長い年月と莫大な費用を要することが見込まれ、多くの皆様からのご支援を必要としております。現在、皆さまからのご支援により少しずつ復旧工事が進んでいますが、まだまだ困難な道のりは長く、そのための寄付金募集プログラムが「復興城主」です。

 

【特典】
1回につき1万円以上の寄附をされた方を「復興城主」として登録し、3つの特典をご用意しています。①城主の証し「城主証」の発行 ②熊本市の観光施設や協賛店で特典を受けることができる優待証「城主手形」の発行(個人のみ) ③城主になられた方の御芳名をデジタル芳名板(大天守4階及び熊本城ミュージアムわくわく座2階の専用コーナーに設置)に掲載。

城主証

城主手形

※手形特典は寄付金額に応じて期間が異なる。

 

デジタル芳名板
芳名板は訪城への動機づけとなり、訪城ならではの感傷に浸ることができる。

※芳名板への掲載は申し込みから約3ヵ月後。

 

 

【寄付の方法】

①ふるさと納税サイトから
熊本市外の方は「3つの特典」以外の返礼品も選ぶことができます。
[問]熊本市ふるさと納税受注センター ☎096-288-3990

 

熊本城復興城主

 

ふるさとチョイス

 

楽天ふるさと納税

 

②お振込み
専用の振込用紙を「熊本城総合事務所」より公式HPまたは電話で請求してお取り寄せいただき、最寄りの郵便局よりお振込みください。
[問]熊本城総合事務所 ☎096-359-6475

 

③窓口(現金受付)
「桜の馬場城彩苑」内の熊本城ミュージアムわくわく座1Fロビー専
用窓口、または熊本城総合事務所にて受付。係員に申し出ください。
[問]熊本城総合事務所 ☎096-359-6475

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過去記事

小和田泰経おわだ やすつね

大河ドラマ『麒麟がくる』では資料提供を担当。主な著書・監修書に『鬼を切る日本の名刀』(エイムック)、『タテ割り日本史〈5〉戦争の日本史』(講談社)、『図解日本の城・城合戦』(西東社)、『天空の城を行く』(平凡社新書)など多数ある。

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沖縄戦とソ連侵攻の真実

沖縄復帰50年記念企画「沖縄戦とソ連侵攻の真実」。激戦の沖縄で何が起こったのか? そして突然のソ連侵攻の真相に迫る! 太平洋戦争最大の民間犠牲15万人・沖縄戦の真実、硫黄島の戦い、戦艦大和沈没の真実、電撃のソ連の対日宣戦布告、ソ連の満州・樺太侵攻などの詳細を語り継ぐべく、徹底解説していく。