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日米終戦までの道のりを年表で追う

今月の歴史人 Part.4


大日本帝国が、本土防衛と戦争継続のため不可欠としていた絶対防衛圏は昭和19年に実質的に崩壊してしまう。アメリカ軍のB-29は、日本軍機や高射砲では全く届かない高空を飛び、投下された焼夷弾は一度分解し、72もの焼夷弾となって日本本土を焼いた。この戦争はどのような経緯で終結を見たのだろうか? 年表を使って、わかりやすく紹介していく。(『歴史人』2021年8月号 「日米開戦80年目の真実」『本土決戦策とポツダム宣言受諾」』より)


 

太平洋戦争終焉までの出来事とは…

ヤルタ会談左から英国・チャーチル、米国・ルーズヴェルト、ソ連・スターリン。1942年2月に開かれ、ソ連の参戦、東京大空襲実行など、日本敗戦への決定打となるような事項が決まった。(『新しい日本の歴史』毎日新聞社、1950より/国立国会図書館蔵)

【日米終戦までの道のり】

昭和19年(1944)
6.19  マリアナ沖海戦で敗北
7.7  サイパン島の日本軍全滅
8.2  テニアン島の日本軍全滅
8.5  大本営政府連絡会議、最高戦争指導会議と改称
8.11  グアム島の日本軍全滅
10.24  レイテ沖海戦、主力戦艦などを失う
10.25  神風特攻隊、米艦に体当たり攻撃
11.24  重爆撃機 B29、東京初空襲

昭和20年(1945)
2.4  ヤルタ会談 (~11 日 )
2.14  近衛文麿、天皇に終戦に関する上奏文提出
3.9~10  東京大空襲。
3.12  名古屋、14 日に大阪、17 日に神戸空襲
3.22  硫黄島の日本軍守備隊全滅
4.1  米軍、沖縄本島に上陸
4.5  ソ連、日ソ中立条約不延長通告。小磯内閣総辞職。
4.7  鈴木内閣発足
5.7  ドイツ無条件降伏
6.3  廣田弘毅とソ連大使マリク会談
6.6  徹底抗戦の方針継続を決定
6.9  陸海軍の実情が上奏される
6.18  終戦工作が秘密裏に議論される
6.23  義勇兵役法公布 (15-60 歳男性、17-40 歳の女性を戦闘隊に編成 )
7.16  米原子力爆発実験に成功
7.17  ポツダム会談 (~8.2、米英ソ )
7.26  ポツダム宣言発表
7.28  鈴木首相、ポツダム宣言黙殺
8.6  広島に原爆投下
8.8  ソ連、対日宣戦布告
8.9  ソ連、満州に侵攻
   長崎に原爆投下
   御前会議にて 1 度目の聖断
8.10  中立国へポツダム宣言受諾を打電
8.12  平沼騏一郎枢密院議長などの反対を受けて、受諾を保留
8.14  ポツダム宣言受諾を決定

 

【終戦までに行われた会議・宣言】

 太平洋戦争開始前の「大西洋上会談」以降、連合国首脳たちは大戦終結までにたびたび会談を設け、戦争方針を話し合っていた。ポツダム会談は戦後政治を見据えたものだった。

 

会議名 年月 出席者 会議内容
大西洋上会談 1941.8 ルーズヴェルト( アメリカ)、
 チャーチル(イギリス)
ファシズムの打倒を目指し、戦後の平和構想として述べられた 「大西洋憲章」に調印 
カサブランカ会談   1943.1 ルーズヴェルト( アメリカ)、
チャーチル(イギリス)
イタリア作戦を行って、枢軸国に対する「無条件降伏」の原則を確認 
カイロ会談 1943.11 ルーズヴェルト( アメリカ)、
 チャーチル(イギリス)、
蒋 介 石 (中国)
対日方針を明確化し、日本の無条 件降 伏まで戦うという 「カイロ宣言」を発布 
テヘラン会談    1943.11~12 ルーズヴェルト( アメリカ)、
チャーチル(イギリス)、
ス タ ー リ ン(ソ連)
対ドイツ戦争の方針 ( 北フランス上陸作戦により、
欧州に新たな戦線を 構築することを確認。
米英ソ 3 ヵ国による最初の会議
ダンバートン=
オークス会議 
1944.8~10 ルーズヴェルト( アメリカ)、
チ ャ ー チ ル (イギリス)、
 スターリン(ソ連)、
蒋 介 石 (中国)
国際連合設立の原則と具体案の作成を行う
ヤルタ会談 1945.2 スターリン(ソ連)、
 ルーズヴェルト( アメリカ、 会談後 4 月12 日死去)、
チ ャ ー チ ル (イギリス)
ドイツ戦争処理問題、国際連合設立、ヤルタ協定でソ連の対日参戦と、
南樺太・千島領有をアメリカ・イギリスが了承する
ポツダム会談 1945.7 トルーマン( アメリカ)、
チ ャ ー チ ル (イギリス) (のち首相がアトリーと交代)、
ス タ ー リ ン(ソ連)
欧州の戦後処理、日本軍への無条件降伏の勧告・戦後処理
※ポツダム宣言はアメリカ・イギリス・中国の3ヵ国のみで発表

 

監修/三野正洋

『歴史人』2021年8月号 「日米開戦80年目の真実」『本土決戦策とポツダム宣言受諾」』より)

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