冬といえば「温泉」! 歴史上もっとも古い温泉ってどこ??─ランキングで見えてくる日本史の楽しさ─
日本史もっとも選手権 #02
日本史のなかで比べた〝もっとも〟なあれこれに迫る本記事。今回は「人類化石」「ストーンサークル」の“もっとも古い”を解説。
■もっとも古い温泉は?

道後温泉
聖徳太子の逸話も残り、古代から現代まで隆盛し続けている温泉である。(国立国会図書館蔵)
文字の記録に限定するなら、日本最古の温泉は伊予国(現在の愛媛県)の道後温泉で決まりである。『伊予国風土記』に、重病に陥ったスクナヒコナノミコトがその湯のおかげで蘇ったとの記述があるのだから。これに次ぐのは摂津国(現在の大阪府北西部と兵庫県東部)の有馬温泉で、『日本書紀』に第34代の舒明天皇が湯治に訪れたとの記事が見える。3番目に古いのは紀伊国(現在の和歌山県)の白浜温泉で、同じく『日本書紀』に第35代および37代の斉明天皇以下、歴代天皇や皇族が行幸・入湯したとの記述が散見される。
■もっとも古いお寺は?
日本最古の仏教寺院は蘇我馬子により596年に創建された飛鳥寺(あすかでら)で、京都市右京区太秦にある広隆寺と奈良県斑鳩町の法隆寺がこれに次ぐ。飛鳥寺は塔を中心に西・北・東の三方に金堂を配置するなど、本格的な伽藍配置がされた日本で最初の大寺院でもある。製作には多くの百済人が携わった。2番手の広隆寺を創建したのは聖徳太子(厩戸皇子)から篤く信頼された秦河勝(はたのかわかつ)で、同寺は聖徳太子から賜った仏像、木造弥勒菩薩半跏思惟像を本尊とした。一方の法隆寺は聖徳太子が父の用明天皇の菩提を弔うために建立した。
監修・文/島崎晋