第二次高市政権の始動で中国はどう対応する? 日中関係の今後と「台湾有事」の可能性
2月8日に投開票が行われた第51回衆議院議員総選挙において、高市早苗首相率いる自民党は単独で316議席という歴史的な議席を獲得し、圧勝を収めた。この結果は、日本国内のみならず、東アジアの地政学的緊張の渦中にいる中国にとっても極めて大きな衝撃として受け止められている。
中国政府および国営メディアの反応は、一貫して強い警戒と不快感に満ちたものである。中国外務省の林剣報道官は選挙直後の会見で、日本の選挙結果は内政問題と一線を画しつつも、高市政権が進める安全保障政策や過去の台湾有事に関する発言、そして靖国神社参拝への意欲に対し、「軍国主義の過ちを繰り返さないことを強く促す」と極めて厳しい言葉で牽制した。中国側は、高市首相が掲げる国防費の大幅増額、さらには憲法改正などへの意欲が、戦後の国際秩序に対する挑戦であると位置づけている。
特に中国が注視しているのは、高市首相が衆議院の3分の2を超える議席、すなわち改憲発議が可能な圧倒的基盤を手にした点である。習近平指導部にとって、日本が防衛力を増強し、米国との同盟を一段と強化することは、中国の核心的利益である台湾統一への最大の障壁となる。そのため、中国は今後、高市政権に対してさらなる外交的・経済的圧力を強めていくものと予想される。
今後の中国の対応として具体的に予測されるのは、第一に台湾問題を巡る瀬戸際外交の激化である。中国は高市首相に対し、過去の台湾有事は日本有事に関連する発言の撤回を執拗に求め続けるだろう。第二に、経済的な報復措置の常態化だ。すでに発動されている水産物の輸入停止や渡航制限に加え、戦略物資の供給網を通じた圧力を強化し、日本の強硬姿勢を内部から揺さぶる戦術を継続する可能性が高い。
一方で、中国は完全な関係断絶を望んでいるわけではない。トランプ政権との対峙も抱えるなか、日本を完全な対中包囲網の尖兵にさせないよう、水面下では閣僚級の対話や経済実務者の交流を維持し、硬軟織り交ぜた対応を試みるだろう。高市首相という妥協を排するリーダーの出現に対し、中国は日本の民意が保守化に傾いたことを冷静に分析しつつ、長期的な対立を前提とした新冷戦的な構えをより鮮明にしていくに違いない。今回の自民党の圧勝は、日中関係が対話と協調の時代から、互いの譲れない核心的利益が正面衝突する構造的対立の時代へ移行したことを象徴する出来事となった。

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