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インパクト抜群!「ロボット」のような巨大仁王像が長野県にあった! でも実は未完成!? 

神社仏閣好きラノベ作家 森田季節の推し寺社ぶらり【第50回】


 

津金寺/長野県北佐久郡立科町

 

 中山道の宿場の一つ、長野県立科町(たてしなまち)の芦田宿(あしだしゅく)。この宿場近くにインパクトのある仁王像がある寺院があります。これに関しては文章で表現しても伝わらないと思うので、写真をごらんください。

戸隠の九頭龍(くずりゅう)権現の作といわれる津金寺の仁王像

 やけにロボットっぽい……というのが初見の印象です。おそらく、胸板あたりが妙に四角形で人間っぽくないからではないかと思っています。まあ、仁王様って人間じゃなくて神仏の範疇だから人間ぽくなくても当然なのかもしれませんが……。

 

 仁王様は全国の寺院の仁王門で仏法を守護してくださっているので、無骨な仁王様もあれば、ヘタウマな仁王様も、場合によっては素人目に見てもヘタだなと思う仁王様もいらっしゃいます。なので、ロボットみたいな仁王様もきっといらっしゃるはずですが、この津金寺(つがねじ)の仁王様は地元でも「なんか変だな」と考えられていた節があります。

 

 お寺のある立科町にはこんな伝説があります。

 

 ある時、お寺に男がやってきて、このお寺の仁王様を造りたいと言ってきました。ただ、仁王様を造っているところは誰も見てはいけないとのこと。こういう話で、本当に誰も見なかったらそれはそれで困りますよね。もちろん、禁を破って作業をのぞく人が出てきました。男は「約束を破られたので、ここでおしまい」と竜の姿になって、空高く舞い上がっていきました。男の正体は九頭竜権現だったのです――

 

 というお話です。この伝説の面白いところは仁王様が未完成であることの説明になっているところです。地元の方も「この仁王様、立派だけど、おそらく未完の状態だよな」と思ってたんでしょうね。

 

 この津金寺、観音堂や宝塔など、様々な文化財が広い境内に点在する大寺院です。だからこそ、仁王様が中途半端に見える形状なのに違和感が持たれたのかもしれません。

 

 さて、津金寺は中山道の芦田宿から徒歩圏内にあります。芦田宿の本陣は江戸時代のものが現存していますし、喫茶店なども近辺の中山道の宿場の中ではかなり多いです。また隣の江戸側の宿場である望月宿の手前には間(あい)の宿(しゅく)(宿場と宿場の間の中継地点的なサブ宿場のようなもの)の茂田井(もたい)という場所があります。ここは街並みがよく残っていて、サブ宿場扱いなのが信じられないほどです。芦田宿からも徒歩で訪れることができる距離ですし、こちらもぜひどうぞ。

 

古い街並みが残る中山道の茂田井間の宿

 

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森田季節もりたきせつ

1984 年生まれ、兵庫県出身。作家。東北芸術工科大学特別講師。京都大学文学部卒業、京都大学大学院文学研究科修士課程中退(日本史学専修)。大学院在学中の2008年、『ベネズエラ・ビター・マイ・スウィート』で第4回MF文庫Jライトノベル新人賞優秀賞を受賞してデビュー。主な著書に『スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました』(GAノベル)、『物理的に孤立している俺の高校生活』(ガガガ文庫)、『ウタカイ 異能短歌遊戯』(ハヤカワ文庫)などがある。

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