戦国の名門・上杉家は騒乱の京都をいかにして駆け抜けたか~ 特別展『戦国京都と上杉家』
編集部注目の歴史イベント
米沢市上杉博物館は2022年4月16日(土)~6月19日(日)の期間、特別展『戦国京都と上杉家』を開催する。複雑化する戦国時代の京都情勢に長尾・上杉家がどのように向き合い、取り組んできたかを紹介する。
米沢市上杉博物館 特別展『戦国京都と上杉家』

米沢本川中島合戦図屏風(左隻)
戦国時代は、個々の戦国大名が一つの地域国家として領国を自立的に支配した時代であった。一方で、戦国大名は将軍や天皇と関わりを築くために自ら積極的に働きかけ、自身の領国支配や他領域進出に活かそうとしていた。戦国大名は領国の統治だけでなく、京都の将軍や天皇との外交関係も重視していたのだ。これは、越後国の戦国大名・上杉謙信やその父・長尾為景も同様だった。
しかし、応仁の乱以降の京都は、抗争が後を絶たず、将軍や公家が離京するなど、まさに激動のさなかにあった。この混沌とした情勢のなか、将軍や天皇は「静謐(せいひつ)」(世情の安定)を図るため、有力な戦国大名に接近し、その実現に努めた。これには謙信以前から、父の為景、兄の晴景が関与していたことが確認できる。また、その際に交渉の窓口として、両者の間を取り持った使者たちの活躍も存在した。
上杉家ゆかりの文化財には、将軍や天皇からの贈答品が現存するほか、国宝「上杉家文書」の中に京都との外交交渉や文化的交流を示す資料が数多く残されている。長尾・上杉家の京都外交が政治的関係の構築のみならず、文化的素養を育む機会にもなったことは注目されている。
特別展『戦国京都と上杉家』では、複雑化する戦国時代の京都情勢に、長尾・上杉家がどのように向き合い、外交に取り組んできたのかを紹介している。
【開催概要】
<展覧会名>特別展『戦国京都と上杉家』
<開催期間> 2022年4月16日(土)~6月19日(日)
<開館時間>9:00〜17:00
※ただし、入館は16:30まで
<会場> 米沢市上杉博物館
〒992-0052 山形県米沢市丸の内1-2-1<観覧料>
一般700(560)円 高大生450(360)円 小中生300(240)円
( )内は20名以上の団体料金<主 催> 米沢市上杉博物館
展覧会公式サイト
https://www.denkoku-no-mori.yonezawa.yamagata.jp/124kyouto.html