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人生訓が込められた上杉謙信・真田信之・太田道灌の名言

今月の歴史人 Part2


時代に名を刻んだ戦国の名将は、後世に残した言葉にも光るものがある。今回は越後の龍・上杉謙信、真田家を存続させ、明治まで繋いだ真田信幸、戦国初期に関東を席巻した太田道灌の3人の名言から、現代人が学ぶべき叡智(えいち)を読み取る。


 

戦国を生き抜きいた名将たちの言葉には戦の心得、人生訓が込められている

 

上杉謙信
「莫大の働きをして其名隠れ埋るとも、心を證とすれば即ち恨なし」

 

[現代語訳]武名を知られなくても、自らが分かっていれば恨むことはない

 

川中島の戦いでの武田信玄との一騎打ちを再現した銅像。

 

 上杉謙信は出陣の際、必ず重臣を春日山城内の毘沙門堂に集め、毘沙門天の前で誓約していたと伝わる。 すぐに出陣しなければならなくなったときには、「我をば毘沙門天と思ひて我前にて神文させよ」というように謙信自身を毘沙門天だと思って誓約するように語ったという。幼少のころから仏門に入っていた謙信は、自らを毘沙門天の化身とみていたのかもしれない。謙信が仏教に通じていたのは確かなようで、人の生き方を問うような処世訓も残しており、「莫大の働きをして其名隠れ埋るとも、心を證とすれば即ち恨なし」とも語っていた。武士たる者、名が世に知られていなくても自分が正しいことをしているのなら恨むことはないというわけである。

 

真田信幸(信之)
「武士といえど金銭を大切にしなければならぬ」

 

真田信之(国立国会図書館蔵)

 

 真田信之は93歳でこの世を去っており、戦国の生き証人として、江戸時代の武士にと っても戒めになったらしい。 武士が経済に関わることが忌避された江戸時代にあっても、「武士は金銀を大切にすべし」 と訓戒を与えている。戦国時代の合戦では、恩賞を与える約束をしなければ、家臣は主君の命令に従わないのが一般的だった。

 

太田道灌
「戦上手は、軍勢の数に頼らず、勢いに乗じて勝つ」

 

太田道灌(国立国会図書館蔵)

 

 小勢で大軍と戦わなければならなくなったとき、太田道灌は「善く兵を用ふる者は兵 の多少に寄らず、勢いに乗ずるものなり」と語ったという。 これは、古代中国の兵法書『孫子』にもみえる言葉でもある。勝敗は、兵の多寡ではなく、勢いに乗ることができるかどうかで決まるのだという。そして、実際、道灌は勝利をおさめた。

 

監修・文/小和田泰経

『歴史人』3月号「日本史の名言400」より)

 

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