リハック高橋弘樹が注目する「江戸時代に海外へ渡った日本人」
著名人が自らの”歴史愛”を語る『わたしの歴史人』
江戸時代に海外へ渡った人々の魅力
――あの番組はナレーション形式で、青龍(せいりゅう)の声を松方弘樹さん、それと対決する白虎(びゃっこ)の声をゴルゴ松本さんが担当されて、そのバトルが面白かったです。タレントが直接登場せず、声による進行は『空から日本を見てみよう』など、のちの人気番組にも通じますね。
あれはいい経験でした。テレビ東京を退社してからネット番組を始めたんですが、歴史といえば最近は「ReHacQ(リハック)」で任那(みまな)日本府について仁藤敦史(にとうあつし)先生と対談させていただきました。4~5世紀の日本人は朝鮮半島南部と日本列島とを頻繁に行き来していて、その痕跡がたくさん残っているんです。日本より新しい前方後円墳が朝鮮半島にあるなんて知ったときは驚いたし、すごく興味が涌きましたね。
以前、ベトナムのホイアンにも行ったんですが、そこには500年ぐらい前に日本人街があったというじゃないですか。日本人が建設した橋が残っていたり、田んぼの真ん中に「谷弥次郎兵衛(たにやじろべえ)」の墓が残っていたり……それもすごく興味を持ちました。江戸時代に鎖国があったことで、日本人は海外へ出ていなかったイメージが強いんだけど、実は秀吉や家康の時代までは本当に色々なところに行っていたんですよね。
弥次郎兵衛に関しては、一度日本に帰ってきているんですよ。鎖国だから帰ってきているんですけど、ベトナムに好きな人がいたようで、もう一回戻っていて。どういう気持ちで行ったんだろうなとか、想像すると本当に興味深いですよね。言葉も通じないのに、何百人かで行って集住(しゅうじゅう)して、何を食べていたんだろうとか。今ではもう、記録が断片的にしか残っていないから想像が膨らむばかりですけど、そこが歴史の面白いところですね。
高橋弘樹(たかはし ひろき)
東京都生まれ。テレビ東京に入社後、ディレクターとして『家、ついて行ってイイですか?』『空から日本を見てみよう』『日経テレ東大学』(YouTube)などの人気番組を手がける。現在は株式会社tonariの代表取締役社長として経済メディア「ReHacQ」を運営。
●高橋さんへの取材の様子は新「歴史人」公式チャンネル(YouTube)で配信中
インタビュー/上永哲矢
カメラ/佐藤ゆたか
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