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【ランキング】行ってみたい日本の古墳は?


3世紀半ばから7世紀にかけて造られた古墳。今回のアンケートは、「行ってみたい日本の古墳は?」について集計しました。547票の投票から、第5位から第1位までを発表します。 <総票:547票  男性:女性=8:2>


大阪府堺市にある仁徳天皇陵。古墳の前方部前の拝所は、大仙公園側にあります。

 

第5位 「五色塚古墳」 投票数:34 票 

 

 第5位は、兵庫県にある「五色塚古墳(ごしきづかこふん)」で34票を獲得。全長194メートルの前方後円墳で、4世紀後半に築かれたといわれています。現在の古墳は、築造当時の姿に復元されたものです。

 

 古墳から鰭付円筒埴輪(ひれつきえんとうはにわ)や朝顔形埴輪など壺状の円筒埴輪が出土したことから、千坪古墳とも呼ばれています。現在ではレプリカが古墳に並べられています。古墳の前方部が、明石海峡の方に向いており、整備された歩道を通って古墳の上にまで登ると抜群の眺望が広がっています。明石海峡大橋や、遠くには淡路島まで見ることができます。

 

 「行ってみたい」と票を投じた人からは、「瀬戸内海を臨む場所にあり、まさに絶景スポット。潮風を感じながら古墳を楽しめそう」「神戸市の垂水駅からも徒歩で行くことができ、アクセスが良いので一度は行ってみたい」などという声が寄せられました。

 

 

第4位 「西都原古墳群」 投票数:36

 

 5位にわずか2票差、36票で第4位となったのは宮崎県にある「西都原古墳群(さいとばるこふんぐん)」。宮崎県のほぼ中央に位置し、南北4.2キロメートル、東西2.6キロメートルの範囲に古墳は点在しています。

 

 築造時期は3世紀末から7世紀といわれ、その数は全部で319基。陵墓参考地として治定を受けた巨大古墳である男狭穂塚(おさほづか)・女狭穂塚(めさほづか)も含まれており、前者は平面の形が帆立貝に似た帆立貝式古墳、後者は前方後円墳です。

 

 宮崎市内からは車で約40分のところにあり、特別史跡公園の敷地内には西都原考古博物館や古代生活体験館、西都原ガイダンスセンターこのはな館もあり、古代の雰囲気を味わえる名所にもなっています。

 

 この古墳を推薦する人からは「日本最大級の古墳群。その雄大さを体験してみたい」「『古事記』と『日本書紀』、いわゆる記紀神話にも登場する神々の墓もある場所。一度は行ってみたい」など、古代へのロマンを掻き立てられている人が多いようです。

 

 

第3位 「石舞台古墳」 投票数:74 票 

 

  第3位は、4位を40票近く上回る74票を獲得した「石舞台古墳(いしぶたいこふん)」。奈良県にある飛鳥を代表する古墳で、7世紀前半の築造といわれています。

 

 露出している天井石の上面が平らで、舞台のように見えることから「石舞台」と呼ばれています。石室は三十数個の岩を積み上げて造られており、その総重量は約2300トン。特に天井石は南側が約77トン、北側は約64トンもあります。巨大な両袖式の横穴式石室の長さは約19.1メートル、玄室は高さ約4.7メートル、幅約3.5メートル、奥行き約7.6メートル。当時の土木工事の技術の高さがうかがわれます。

 

 被葬者は、政治家・蘇我馬子(そがの・うまこ)だという説が有力です。崇峻(すしゅん)天皇を暗殺し、姪を推古(すいこ)天皇として即位させたことはご存じの通り。聖徳太子と組んで飛鳥時代に権勢を誇り、また仏教を広めた人物としても有名です。

 

 この古墳に行った人からは「石室内には、ひんやりとした空気が流れていました。巨石が積み上げられた様子に、圧倒されました。奈良の文化の高さを感じます」とコメント。そして「石舞台古墳に行きたい」と思う人の多くが、「飛鳥時代の歴史を感じることができる場所」「有名な古墳を一度は訪れてみたい」と票を投じたようです。

 

 

第2位 「高松塚古墳 投票数:138

 

 第2位には、3位の「石舞台古墳」に60票以上も差をつけた「高松塚古墳(たかまつづかこふん)」が選ばれました。奈良県にあり、7世紀末から8世紀初めにかけて築造された終末期古墳です。2段式の円墳で、上段の直径は約18メートル、下段の直径は23メートル。

 

 昭和37年(1962)頃に、村人がショウガを貯蔵しようと穴を掘ったところ、穴の奥に四角い切石を見つけたことがきっかけで発見されました。

 

 何と言っても有名なのは、昭和47年(1972)に発見された石室の人物壁画でしょう。壁面と天井に、極彩色で男子と女子の群像などが描かれていました。西壁の4人の女子群像は、「飛鳥美人」ともてはやされ、歴史の教科書などにも紹介されています。

 

 高松塚古墳を推薦する人は皆「有名な国宝の壁画を見てみたい」「教科書で知った極彩色の壁画。神秘的でもあり、一度は直接、目にしたい」と考えているようです。

 

 

第1位 「仁徳天皇陵古墳」 投票数:180 

 

 そして第1位に選ばれたのは、5世紀に造られた「仁徳天皇陵古墳(にんとくてんのうりょうこふん)=大仙陵古墳(だいせんりょうこふん)」。180票と圧倒的な数の票を獲得しました。大阪府堺市にある前方後円墳で、長さ486メートルある墳丘の周りには濠が三重にめぐらされています。

 

 この古墳は全国に16万基以上あるといわれる古墳のなかでも、日本最大とされています。全長は約840メートル、一周は約2.7キロメートル、陵域は濠を含めて約47万平方キロメートル。墳丘の大きさは486メートルで、エジプトのクフ王や中国・秦の始皇帝陵より大きく、この古墳を造るために1日に最大2000人の人が働いた場合でも、15年以上かかるという試算もあるほどです。

 

 約1600年前に実在したとされる仁徳天皇の墓とされていますが、考古学者の間でも意見が分かれており、墓に本当は誰が埋葬されているのかは、まだまだ謎に包まれているようです。

 

 仁徳天皇陵を含む「百舌鳥(もず)・古市(ふるいち)古墳群」は、令和元年(2019)、ユネスコの世界遺産にも登録。4世紀後半から5世紀後半にかけて築造されたといわれています。

 

 この古墳に行きたいという人は皆、「世界遺産にも登録された、世界三大墳墓の一つ。やはり一度は行ってみたい」と考えているようです。そして「教科書にも掲載されている古墳。そのスケール感を体験してみたい」「本当は誰を被葬しているのか……日本で一番有名な古墳であるにも関わらず、最も謎に満ちた古墳でもあり、ワクワクさせられます」「内部調査が進み、古代王国の全貌が分かる日を期待しています」と、古墳への関心の高さが分かる意見が多く見られました。

 

(アンケート…メールとハガキで集計。総票数:547票)

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