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日本の宮廷を彩った華やかな文化を展示する茨城県立歴史館特別展『華麗なる明治-宮廷文化のエッセンスー』

編集部注目の歴史イベント


幕末の動乱を乗りこえ、国力旺盛な欧米列強と対峙した明治時代は、「富国強兵」「殖産興業」「文明開化」といったスローガンのもと、政治、経済、法制、文化、産業など、実に多様で、大きな変化をとげた。『華麗なる明治-宮廷文化のエッセンスー』では、明治時代の皇室の活動を中心に、宮廷を彩った華やかな文化と、それを支えた茨城ゆかりの人びと、また、本県各地への行幸啓を、県内外の貴重な史料を通じて紹介している。令和4年2月19日(土)~令和4年4月10日(日)の会期中、新しい令和の世に再び注目を集めている皇室の活動などを知るまたとない機会となるであろう。


 

新たな時代の幕が開けた「明治」

 

 江戸時代までは宮中の奥で秘すべき存在であった天皇や皇后も明治時代になると、国民や諸外国の視線を意識した《見られる》存在となり、近代的な装いのもとで新しい役割を担ってきた。きらびやかなドレスや大礼服、宮殿を彩った豪奢な美術・調度品、各国王族や外交官をもてなした晩餐会や舞踏会など、伝統文化を基礎としながらも、欧米の文物を積極的に採り入れ、清新、かつ華麗ともいうべき宮廷文化が花開くこととなった。

 

 『華麗なる明治-宮廷文化のエッセンスー』展では、こうした宮廷文化にまつわる服飾品などを展示している。

 

大礼服(マントー・ド・クール) 昭憲皇太后着用(共立女子大学博物館蔵)

 この宮廷文化の形成に、茨城県ゆかりの宮内官僚や美術家たちも深く関わっている。また、明治時代には、歴史上初めて茨城の地への天皇と皇后の行幸啓があり、新時代にふさわしい、近代的な装いの天皇や皇后は、県下の民衆によって熱狂的に奉迎された。さらに、行幸啓は、文化財の天覧、物産のお買い上げ、工場への侍従差遣などを通じて、地方文化や産業の保護に大きな影響をあたえた。

 

銀盃明治天皇より結城町へ下賜 (明治 年結城行幸関係資料) 結城市教育委員会

 本展では、明治時代の皇室の活動を中心に、宮廷を彩った華やかな文化、皇室に近侍した人びと、本県各地への行幸啓を、皇室や本県ゆかりの貴重な史料を通じて紹介している。

 

【開催概要】

主 催 茨城県立歴史館
協賛 常陽銀行 茨城県信用組合 水戸信用金庫 茨城トヨペット
   関彰商事 株式会社伊勢甚本社 World Benefit Company
開催期間 2022年2月19日(土)~4月10日(日)
休館日  月曜日(祝日の場合はその翌日)
開館時間  午前9時30分~午後5時(入館は,午後4時30分まで)
会 場
   茨城県立歴史館
  〒310-0034 茨城県水戸市緑町2-1-15
価 格
  一般 610円(490円)
  大学生 320円(240円)
  満70歳以上 300円(240円)

  ※()内は20名以上の団体料金
  ※高校生以下,身体障害者手帳,療育手帳,精神障害者保健福祉手帳,
   指定難病特定医療費受給者証をお持ちの方と付き添いの方1名の
   入館 料は無料。
  満70歳以上の方 入館無料日 3月3日(木)
展覧会公式サイト
 https://rekishikan-ibk.jp/special/post-23/

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