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【ランキング】江戸時代までの日本の作家で、直木賞やノーベル文学賞を受賞できると思う文学者は誰か?


 第166回直木三十五賞は、『塞王(さいおう)の楯』の今村翔吾さんと『黒牢城(こくろうじょう)』の米澤穂信が受賞しました。今回、月刊誌『歴史人』の巻末アンケートにハガキやメールで頂いた回答をもとに、「江戸時代までの日本の作家で、直木賞やノーベル文学賞を受賞できるベストセラー作家は誰か?」の5位から1位までを発表します。(アンケート回答者/男性:女性=7:3、総票数:575票)


京都の宇治川の側に記念館と石像がある平安時代の名作家・紫式部

第5位 近松門左衛門 投票数:45

 

 第5位は、江戸時代前期に上方で活躍した、浄瑠璃・歌舞伎作者の近松門左衛門。20代で芝居の世界に入り、元禄時代までは俳優が兼業していた歌舞伎作品の執筆を専門家が描くことを進めたといわれる。代表作は『曽根崎心中』や『国性爺合戦(こくせんやかっせん)』『心中天網島(しんじゅうてんのあみじま)』など。町人社会の義理や人情を生き生きと描いた。「ドラマチックで、現代で映像化しても話題を集め、人の心を打つストーリー」「ままならない人生があるということを見事に表現している」など、豊かな才能を讃える声が寄せられた。

 

 

第4位 滝沢馬琴 投票数:50

 

 近松を5票差で上回った第4位は、同じ江戸時代に活躍した戯作者・滝沢馬琴。執筆に30年近くをかけた『南総里見八犬伝』や名声を築く一作となった『椿説弓張月』の作者だ。日本で初めて原稿料だけで生計を立てた作家といわれている。「ストリーテラーとして才能は抜群」「ミステリアスなヒーローを描かせたら天下一品」「時代に合った作品をリリースしてくれそう」などの推薦の声が寄せられた。

 

 

第3位 清少納言  投票数:75

 

 続く第3位は清少納言。平安時代を代表する作家で、紫式部のライバルだ。三十六歌仙の一人である著名な歌人・清原元輔(きよはら・の・もとすけ)の娘で、曽祖父(系譜により祖父)は、『古今和歌集』を代表する歌人の一人・清原深養父(きよはら・の・ふかやぶ)と文学者の家系だ。代表作『枕草子』は、日本の自然や宮廷社会を簡潔な文章で知的に表現した随筆だ。清少納言を推す理由は「文体が明快で、身近な生活を描いた繊細さなど才能を感じる」「観察眼の鋭さに驚かされる」「随筆にも和歌にも才能を発揮した平安時代の文学エリート」などの高い評価が多かった。

 

 

第2位 松尾芭蕉 投票数:101

 

 そして3位の清少納言に大差をつけて第2位となったのは、江戸時代に生きた俳諧師・松尾芭蕉だ。東北や北陸など日本各地を旅し、名句・紀行文を残し、旅中に客死したことはご存知の通り。「古池や蛙飛び込む水の音」など、小学生・中学生の頃に芭蕉の句がきっかけで俳句を知ったという人も多いだろう。代表作はやはり誰もが知る『奥の細道』。侘び・寂びという日本人独特の美意識の世界を堪能させてくれる。票を投じた人たちからは「世界中の人に知って欲しい日本の文学者」「この時代に直木賞があったなら満場一致だったはず」「ボブ・ディランの歌がノーベル文学賞ならば、松尾芭蕉はそれ以上だ」と熱い推薦理由ばかりだった。

 

第1位 紫式部 投票数:205

 

 そして第一位は、205票と圧倒的な支持を集めた紫式部。『源氏物語』を書いた平安時代の作家で、間違いなく日本文学を代表する一人だ。曽祖父は藤原兼輔(ふじわら・かねすけ)、祖父・雅正(まさただ)、父・為時(ためとき)を始め、一族には一流の文人が勢揃いしている。紫式部の唯一の作品『源氏物語」は、恋愛や政治の権力闘争に満ちた貴族社会を生き生きと描き、現代では20カ国語以上で翻訳され世界各国の人に読まれる長編物語だ。

 

 「現代人が読んでも圧倒的に面白い」「漫画化やドラマ化もされていて、ストーリー・登場人物、何もかもが魅力的だ」「この作品がノーベル文学賞を受賞しないなんて考えられない」「文学の申し子。平安から現代まで、千年を超えて読み継がれていることがその証」「時代を超え、そして世界中の人が夢中になっている大長編で愛される超大作」など絶賛する声が溢れている。

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歴史人編集部れきしじんへんしゅうぶ

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