万葉人の多様な古代の祈りに触れる特別展『難波をうたう-万葉集と考古学-』
編集部注目の歴史イベント
現元号である「令和」が決定した際にも話題となった、日本最古の歌集『万葉集』。奈良時代末期に成立し、多くの古典文学に影響を与えたことはもちろん、今現在においても当時の文化を今に伝えてくれている。大阪歴史博物館の特別展『難波をうたう-万葉集と考古学-』では、『万葉集』の木簡や古写本はもちろん、豊富な当時の出土品でその実相をあきらかにする。
日本最古の歌集『万葉集』
豊富な出土資料をもとに万葉人の実像を描く

古代の漁具 飛鳥~奈良時代 遠里小野遺跡(大阪市住吉区) 大阪市教育委員会蔵・大阪市文化財協会保管
大阪歴史博物館では、令和3年10月2日(土)から12月5日(日)まで、6階特別展示室において、特別展「難波(なにわ)をうたう-万葉集と考古学-」を開催する。
日本最古の歌集『万葉集』は万葉集は大和(奈良)や東国に次いで難波(大阪)の歌が多く、難波は万葉人のもう一つのふるさとと言える。本展では万葉集をひも解きながら、発掘調査で明らかにされた建物跡や祭祀の場、当時の暮らしや儀礼で用いられていた様々な出土品を手がかりにして古代の難波に迫る。

万葉集(尼崎本)【重要文化財】 平安時代末~鎌倉時代初期 京都大学附属図書館蔵 ※実物展示期間:10/2~11/8 出典:https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp/item/rb00000126
展示では、日本最古の万葉仮名を記した「はるくさ」木簡(大阪市難波宮跡出土)のほか、万葉歌が墨書された木簡(レプリカ)を、万葉集の古写本と共に紹介。そして藤原宇合によって「昔こそ難波田舎と言はれけめ 今は都引き都びにけり」(昔こそ 難波田舎と言われたろうが 今は都に做って すっかり都会らしくなった)と詠まれた奈良時代の難波宮・難波京について、豊富な出土資料をもとにして実像を描き出す。さらに、まじないに使われた人面墨画土器や木製形代などを通して、幸くあれと願った万葉人の多様な祈りに触れることができる。
考古資料と万葉歌・古代史の出会いによって生み出される古代大阪の新たな世界を体感しよう。
【会期】2021/10/02~2021/12/05
【開館時間】9:30~17:00まで(会期中の金曜日は20:00まで)※入館は閉館の30分前まで
【休館日】火曜休館 ※ただし、11月23日(火・祝)は開館、翌24日(水)は休館
【入場料】特別展のみ 大人1,000円(900円) 高校生・大学生700円(630円)
常設展+特別展 大人1,500円(1,440円) 高校生・大学生1,030円(990円)
※( )内は20名以上の団体割引料金。
※中学生以下、大阪市内在住の65歳以上の方(要証明証提示)、障がい者手帳等をお持ちの方(介護者1名を含む)は無料。
【問合せ先】TEL06-6946-5728http://www.mus-his.city.osaka.jp/news/2021/naniwawo_utau.html