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知っているようで知らない聖徳太子の姿に迫る「千四百年御聖忌記念特別展『聖徳太子 日出づる処の天子』」

日本各地から国宝10件、重文47件を含む約200件を展示


聖徳太子といえば、かつて日本の紙幣に肖像画がデザインされたこともある有名な歴史上の人物である。多くの人がその顔を見たことがある人物であるが、その人物像や後世に与えた影響など、意外と知らない人も多いのではないだろうか。聖徳太子ゆかりの寺院では、聖霊会をはじめ太子の偉業を偲ぶ大規模な法会が催される。没1400年を迎える2022年、100 年に一度の節目にあわせ、太子の生涯をたどり、没後の太子信仰の広がりを紹介する展覧会「千四百年御聖忌記念特別展『聖徳太子 日出づる処の天子』」大坂・東京の2会場で開催される。


 

来る、令和4 年(2022)、聖徳太子(574 ~622)が没して 1400 年を迎える

大阪市立美術館・サントリー美術館「千四百年御聖忌記念特別展『聖徳太子 日出づる処の天子』」(先行チラシデータ)

 用明天皇の皇子として生まれた聖徳太子は、推古天皇の摂政として十七条憲法の制定や遣隋使の派遣など国家体制の確立に大きく貢献した。さらに、大阪・四天王寺や奈良・法隆寺の創建に代表されるように仏教を篤く信奉し、 現在まで続く日本仏教の礎を築いた。

 

 なぜ聖徳太子を、最澄や親鸞をはじめとする日本仏教諸宗の名だたる開祖・祖師は篤く尊んだのか。なぜ太子ゆかりの寺院は、1400 年もの長きにわたり参詣が絶えないのか。

 

 本展覧会では、こうした聖徳太子にまつわる問いを解くべく、 太子信仰の中核を担ってきた大阪・四天王寺の所蔵品を中心に、 太子にかかわる美術の全貌を展示している。

 

第1章 聖徳太子の生涯~太子の面影を追って~

重要文化財「聖徳太子絵伝」第2幅、遠江法橋筆、鎌倉時代 元亨3年(1323)、大阪・四天王寺 画像提供:奈良国立博物館、撮影:佐々木香輔

 本章では代表的な太子絵伝を複数展示し、その生涯を詳しく紹介している。また太子が所持したと伝わる飛鳥時代の品々や、太子の足跡を物語る作品をあわせて展示し、太子の人物像にスポットライトを当てている。

 

第2 章 聖徳太子信仰の広がり~宗派を超えて崇敬される太子~

「聖徳太子童形像・四臣像」室町時代 15世紀、大阪・四天王寺

 聖徳太子は日本に仏教を広めた人物として、没後まもなく信仰の対象となった。日本天台宗開祖・最澄(767~822)、浄土真宗開祖・親鸞(1173~1262)、時宗開祖・一遍(1239~89)など名だたる高僧をはじめ、身分・男女を問わず多くの人々から尊ばれてきた。こうした太子信仰の中で、特定の年齢の姿を表した太子二歳像や十六 歳像をはじめ、様々な絵画・彫刻作品が生み出されている。

 

 本章では、多種多様な太子像の全貌と、各宗派における太子信仰の広がりを示す作 品を展示する。

 

第3 章 大阪・四天王寺の1400年 ~太子が建立した大寺のあゆみ~

国宝「扇面法華経冊子」巻第1、平安時代 12世紀、大阪・四天王寺

 大阪・四天王寺は、推古天皇元年(593)、聖徳太子が建立した日本最古の官寺である。太子への信仰を核とする同寺には、宗派を問わず多くの祖師・高僧も詣でている。

 

 また、同寺で創始された聖徳太子絵伝を通じて、その生涯と遺徳を広める活動を続けている。同寺は、長い歴史の中で戦禍や災害により何度も伽藍が失われてきたが、人々の絶えることない太子への篤い信仰により、その都度再興を果たした。

 

 本章では、四天王寺の1400年を、国宝「扇面法華経冊子」をはじめとした名宝とともに解説している。

 

第4 章 御廟・叡福寺と大阪の聖徳太子信仰~太子が眠る地~

「馬上太子像」桃山時代 16~17世紀、大阪・叡福寺

 聖徳太子の御廟(陵墓)は、河内すなわち大阪南部にある。御廟前に建つ叡福寺 (南河内郡太子町)、そして物部守屋との合戦に参戦した折、休息をとった地である野中寺(羽曳野市)、守屋との合戦の地に建つ大聖勝軍寺(八尾市)は、いずれも太子ゆかりの寺院で「河内三太子」と称され、親しまれてきた。

 

 本章では、四天王寺や河内三太子をはじめ、太子の事績にまつわる地が点在する、大 阪における太子信仰に焦点を当てている。

 

第5 章 近代以降の聖徳太子のイメージ…そして未来へつながる祈り

「鳳輦」江戸時代 17世紀、および「聖徳太子童形半跏像」令和3年(2021)、大阪・四天王寺

 日本仏教の祖として崇められていた聖徳太子だが、明治以降は国家の礎を築いた政 治家としての側面がクローズアップされ、紙幣にも登場した。さらに、太子を主人公 とするマンガ「日出処の天子」(山岸凉子作)も人気を博し、より身近な存在となった。

 

 身近な存在になった聖徳太子だが、令和3 年(2021)、四天王寺では100 年に一度の御聖忌に向け、「聖徳太子童形半跏像」を新造しており、礼拝の対象としての太子の造形が生み出され続けている。

 

 本章では近代以降における太子のイメージをたどり、歴史を重ねる四天王寺聖霊会 の関連作品を展示し、過去、現在、そして未来へと継承される太子への祈りに思いを馳せ、終章としている。

 

【開催概要】
主 催 和宗総本山四天王寺、大阪市立美術館、日本経済新聞社、テレビ大阪
後援 公益財団法人大阪観光局
協力 天王寺楽所雅亮会
開催期間  大阪会場:令和3年(2021)9月4日(土)─ 10月24日(日)
          月曜日休館 (9月20日は開館)
     東京会場:令和3年(2021)11月17日(水)─令和4年(2022)1月10日(月・祝)
          火曜日休館(11月23日、1月4日は開館)、年末年始
開館時間 大阪会場: 9 : 30〜17 : 00 (入館は16 : 30まで)
     東京会場:10:00~18:00/金・土および11月22日(月)、1月9日(日)は10:00~20:00(いずれも入館は閉館の30分前まで)
会 場
■大阪会場:大阪市立美術館
〒543-0063 大阪市天王寺区茶臼山町1-82 天王寺公園内

06-4301-7285(大阪市総合コールセンター)
 
■東京会場:サントリー美術館
〒107-8643 東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア3階

03-3479-8600

価 格
大阪会場:一般1,800円ほか
東京会場:一般1,500円ほか
公式サイト https://taishi1400.exhn.jp

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