織田信長・豊臣秀吉に仕えた三大茶人の名品たちが揃う『天下三宗匠 山上宗二・千道安とともに』
編集部注目の歴史イベント
茶道は日本の伝統芸能である。安土桃山時代に千利休(せんのりきゅう)が主唱した「侘茶(わびちゃ)」こそが今日、我々が想像する茶道だ。この度、古田織部美術館にて『天下三宗匠(そうしょう) 山上宗二・千道安とともに』という、千利休らにゆかりのある品々を紹介する展示会が開催している。
織田信長・豊臣秀吉に仕えた「天下三宗匠」ゆかりの品々が一堂に

古田織部美術館「天下三宗匠 山上宗二•千道安とともに」
古田織部(ふるたおりべ)は天下の宗匠と称されたが、何もないところに、彼一人で茶の湯の道をうち立てたわけではない。師である千利休はもちろん、それ以外の先人の教えも消化し、取り入れるべきは残し、余分なものはそぎ落とし、そしてその上に新たな工夫を積み重ね、その繰り返しの末に大成に至ったのだ。
「天下三宗匠 山上宗二・千道安とともに」では、茶の湯においては古田織部の1世代上にあたる茶人から、「天下三宗匠」と呼ばれた3人が取り上げられている。その3人とは、織田信長・豊臣秀吉に仕えた今井宗久(いまいそうきゅう)・津田(天王寺屋)宗及(そうきゅう)、そして織部の師・千利休(宗易)のことである。
また、世代的には織部と同一世代にあたる利休の高弟・山上宗二(やまのうえそうじ)と嫡男の道安(紹安)にゆかりの資料、また、当時は第一の道具と称され、豪商たちが財力に物を言わせて盛んに輸入した呂宋(唐物)茶壺なども展示されている。

唐物蓮華王茶壷

古信楽茶碗 覚々斎在判 了々斎箱書付 銘「乙御前」

山上宗二自筆『山上宗二記』巻
天下三匠と呼ばれた彼らは、織部に直接影響を及ぼしたと考えられ、それだけではなく、そろって貿易港として栄えた泉州・堺を代表する豪商でもあった。彼らのような豪商茶人は、次の江戸時代にはついに現れることがなかった。ならば、彼らの茶の湯とは、いったいどのようなものだったのか。
本展を通し、豪商茶人と呼ばれた天下三匠の目指した茶の湯について理解を深めることができるだろう。
【開催概要】
主 催 古田織部美術館
開催期間 2021年11月28日(日)まで
月曜日休館
開館時間 9 : 30〜17 : 00 (入館は16 : 40まで)
会 場
古田織部美術館
〒603-8054 京都府京都市北区上賀茂桜井町107-2 地下一階
入館料
大人500円/大学生・高校生400円
小中学生300円/未就学児 無料
団体(15人以上)100円引
樂焼玉水美術館(堀川通寺之内上ル、入館料300円)
との共通券 700円
後援
京都市、京都新聞
公式サイト
http://www.furutaoribe-museum.com/exhibition.html