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東京都内の駅から「徒歩圏内の神社」でも山道すぎて普段着で行くと不安になる……その理由とはいったい!?

神社仏閣好きラノベ作家 森田季節の推し寺社ぶらり【第52回】


 

■地元の武士を祀る平山季重神社

 

 東京都にあって、昼間でも約10分おきに電車が来る――ごく一般的な都市部の駅です。ですが、そんな駅から徒歩圏内にあるのに参拝をためらってしまう神社が日野市にあります。その名は平山季重神社(ひらやますえしげじんじゃ)。こちら、京王電鉄の平山城址公園駅の南側の、まさしく平山城址公園という多摩丘陵の自然をよく残した公園の中にあります。

 

 平山季重というのは源平合戦の時代を生きたこの地を本拠にしていた武士です。駅前には彼の居館があったことを記念する碑なども建っていますし、同じく駅前には「平山季重の道」というウォーキングマップも掲示されています。駅前の図書館がある施設の名前は「平山季重ふれあい館」!(なお、平山季重の事績を紹介したプリントなどをいただけます)神社も明らかに平山季重を祀るもので、マップにも名前が見えるので迷わずに神社にも到着できそうです。

 

笹の葉が生い茂る山道をゆく

 道標をたよりに駅の南側の住宅地に入っていくと、やがて目の前に高い壁のような丘陵が……。そのまま進んでいくと、道は完全な山道のハイキングコースに突入します。近くに先客の家族連れもいましたが、ハイキングの格好でした。もしかして普段着で来たらまずかったのか……とちょっと後悔しだしました。しかし、笹の葉の間を縫うように階段を上がっていくと、数分で開けたところに出て、無事に神社に到着しました。地域のおやしろといった規模のコンパクトな神社ではありますが、地元の武士が祭神の神社は、この土地の鎮守としてこれ以上ないチョイスだと思います。結局ハイキングコースを歩いたのは5分程度のはずですが、とくに準備もせずに気楽に出向くと「本当に着くのか……」とかなり不安になってきます。

 

平山重季神社の祠。日奉(ひまつり)神社とも呼ばれている

 帰りは平山季重の墓がある宗印寺(そういんじ)のほうへと出るルートを使いました。こちらのほうが未舗装のハイキングコースの距離は長いです。道はお寺の墓地の裏手へ出ましたが、お寺側から入る場合、多分墓地のあたりを確認しないとこの道は発見できないので、なかなか難易度が高いですね……。実は神社へ向かう前にまず宗印寺を参拝していたのですが、このルートを発見できず、住宅地経由のルートを使って神社へ参拝しました。近くには夜道や痴漢への注意喚起の看板もありましたが、夜に墓地の横のハイキングコースを歩く豪胆な人なんてそれこそ平山季重みたいな鎌倉武士ぐらいしかいないのでは……という気もします。

 

 駅近くにハイキングコースがあるということは、それだけ自然がよく残されているということでもあります。とくに日野市の京王沿線の南側はゆるやかな多摩丘陵が続いていて、一部は公園として残されています。駅に着けばばんばん新宿方面の電車が発着しているので、帰りの電車の時間を気にする心配も不要です。お手軽なハイキングにぜひどうぞ。

 

宗印寺にある平山季重の墓。平山季重は源頼朝の挙兵に参加し、平家との戦いで活躍した

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過去記事

森田季節もりたきせつ

1984 年生まれ、兵庫県出身。作家。東北芸術工科大学特別講師。京都大学文学部卒業、京都大学大学院文学研究科修士課程中退(日本史学専修)。大学院在学中の2008年、『ベネズエラ・ビター・マイ・スウィート』で第4回MF文庫Jライトノベル新人賞優秀賞を受賞してデビュー。主な著書に『スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました』(GAノベル)、『物理的に孤立している俺の高校生活』(ガガガ文庫)、『ウタカイ 異能短歌遊戯』(ハヤカワ文庫)などがある。

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