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天下人・ノブナガくんが世界中を熱狂させている「カタールW杯」を語る─戦国三大天下人が現代に転生⁉─

三大天下人が“今”を斬る【第十回】


ノブナガくん、ヒデヨシくん、イエヤスくん。かつて戦国乱世を制覇し、天下人となった3人の戦国武将が“現代に蘇り、時勢について語ったら”……。はたしてどんなことを語るのだろうか? 今回はノブナガくんに世界中を熱狂させている「カタールW杯」について語ってもらった。


 

■スポーツでアツくなるのは戦国の世も同じ

 

 

お歴       3大天下人くんが今を斬る!』、司会のお歴です。三大天下人が現世に舞い降りて、現代のニュースを語らい、率直な意見を披露する対談企画。今回は第十回、テーマは「カタールW杯」。日本代表がまさかのジャイアントキリング、ドイツ代表とスペイン代表を下して決勝トーナメントに進出する大波乱がありました。サッカーファンは手のひら返しすぎてねじ切れそうでしたが、ワールドカップの話題がまだまだNEWSを賑わせています。ノブナガ様も気になりますか?

 

ノブナガくん 勝負事は好きだがや。蹴鞠の世界大戦争なんて、面白いことをやるのう。しかしだな、地面を転がしてもいいというのは、昔の蹴鞠とはずいぶん違うのう。ありゃあ、基本、鞠を地面に落としてはいかんがや。ずーっと浮き球で蹴り合うからの。それに勝敗も特にないし、そんなに面白いもんではなかったのよ。ワシらの時代の前、平安時代やら鎌倉時代は武家の嗜みとか言われておったんじゃがの。

 

お歴       ノブナガ様はあまりお好きじゃなかったんですか?

 

ノブナガくん      わしゃあ、何ちゅーても相撲だがや。古事記や日本書紀までさかのぼる神事ぞ。力比べってのも、たまらんしの。起源である出雲(現在の島根県)の野見宿禰(のみのすくね)と當麻(現在の奈良県)の當麻蹶速(たいまのけはや)の勝負なんて、宿禰が蹶速を蹴り殺しとるからな! それで領地を取られたってんだから、ワールドカップとやらも負けた方は領地を召し上げられるくらいの…。

 

お歴       ストップ、また戦国の悪いとこ出てます! ホントに戦争になっちゃうじゃないですか。

 

ノブナガくん      まただがや、つまらんのじゃ、現代世界。でも、まあワールドカップってのは元々はそういうもんじゃろ。サッカー…蹴球か、熱狂的な国では負けた代表選手をファンが襲うんじゃろ? フーリガンとか何とか。気持ちは分かるわ、熱くなるがや。

 

ノブナガくん

 

お歴       当時は蹴鞠と相撲が二大スポーツって感じだったんですかね。

 

ノブナガくん      蹴鞠は公家文化じゃから、朝廷とか貴族連中がキャッキャウフフとやっとったからなあ。神官連中や一般庶民も楽しんでおったよ。殺し合いじゃないから(笑)。平安時代に“蹴聖”と呼ばれた名人、藤原成通(ふじわらのなりみち)は蹴鞠をしながら清水の舞台の欄干上を往復したとかいう話もあるがや。アホのやることだと思うけどな。室町時代には将軍の足利義満(あしかがよしみつ)や義政(よしまさ)が蹴鞠好きで、そこから武家の嗜みになっていったがや。でも、ワシの時代からは相撲。相撲一択!

 

お歴       好角家ってヤツですね。

 

ノブナガくん 安土の常楽寺(じょうらくじ)で相撲の興行やっとったからな。今の感じで言えば、“安土場所”だがや。勝ったものには刀やら着物、領地や家まで商品にしとったからな。どいつもこいつもガチでやるから、面白かったなあ。そうそう、天正9年(1581年)に、竹相撲をやったがや。ワシはド派手な南蛮装束で、左義長(さぎちょう/正月15日夜の火祭り)で爆竹バンバン鳴らしてたがや。黒い南蛮のフェルト帽(南蛮笠)かぶっての、眉毛も描いて。唐錦の側次(そばつぎ/袖なしの能装束)に虎の皮製の行縢(むかばき/前掛けというか巻きスカート的なもの)で決めての。葦毛の馬で登場したから、まあコスプレよ。今の蹴球のサポーターもコスプレやらフェイスペインティングするじゃろ? ワシのほうが441年ばかり早いわ。そんで爆竹の竹を使って竹相撲をやったがや。要はデカい竹の左右の両端を持って、互いに逆方向にねじる力比べなんだけど、そんでどうしても勝負がつかん力自慢がふたりおっての。面白かったから、褒美として姓を与えたがや。東方から土俵にあがった伝蔵と、西方から土俵にあがった常楽寺の右馬次郎(うまじろう)に、そのまんま「東」と「西」って姓をつけたんよ。東家の末裔は、今でも当時の建物や古文書を保存しとるよ。今の相撲とはだいぶ違うけど、まあ力比べに変わりはないがや。人間には闘争本能があるからの。今は球蹴って競っとるけど、本質は変わらんと思うがや。国の期待を背負って戦っとるんだから、そりゃあ、選手も周りも盛り上がるがや。

 

お歴       残念ながら日本代表は決勝トーナメント1回戦でクロアチアに敗退してしまいましたが、感動をもらえましたよね!

 

お歴

 

ノブナガくん まさに「ぶらぼー」じゃった。できることなら優勝してほしかったがの。やっぱり騎馬隊とか鉄砲隊をうまく使ってだな…。

 

お歴       だから、それじゃスポーツじゃないんですってば! 今回も戦国脳筋っぷりが凄まじいですね、ノブナガ様。まあ、仕方ないか。また次回!

 

※この記事はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。

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