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古代ローマの生活の真実を見ることができる東京国立博物館『特別展 ポンペイ』

編集部注目の歴史イベント


東京国立博物館で2022年1月14日(金)~4月3日(日)の期間、特別展「ポンペイを開催している。紀元後79年、イタリア、ナポリのヴェスヴィオ山噴火により、厚い火山灰の下に埋もれた都市ポンペイ。約一万人が暮らした都市の賑わいをそのまま封じ込めたタイムカプセルともいえる遺跡は、1748年の再発見以来、多くの人びとを魅了している。本展はポンペイから出土した多くの優品を所蔵するナポリ国立考古学博物館の全面的な協力のもと、日本初公開を含む、名品の数々を紹介している。ポンペイ最大の邸宅「ファウヌスの家」などの一部を再現するほか、臨場感あふれる高精細映像など、2000年前にタイムスリップできる空間演出も見ることができる。高度な文明と豊かな暮らしを今に伝える貴重な出土品や映像を通して、ポンペイの繁栄とそこに生きた多様な人びとの実像に迫る。


 

第1章 ポンペイの街:公共建築と宗教

 

 古代ローマの都市生活に欠かせないのが、街のインフラと公共施設である。1万人ほどの人口を擁したポンペイの街にも、フォルム(中央広場)、劇場、円形闘技場、浴場、運動場といった公共施設が存在した。

 

 本章では、こうした公共施設にまつわる作品を鑑賞しながら、ポンペイの街へ思いを馳せることとなる。神々を祀る神殿もまた都市に必要な要素であった。ポンペイで信仰されたアポロ、ウェヌス、イシスといった神々に関する作品を通じて、ポンペイにおける宗教と信仰についても紹介される。

 

ビキニのウェヌス ナポリ国立考古学博物館蔵

ビキニのウェヌス ナポリ国立考古学博物館蔵

 

第2章 ポンペイの社会と人々の活躍

 

 ポンペイの街で暮らした裕福な市民たち。本章では、その暮らしぶりが分かる出土品が展示される。宴席を飾った豪華な品々、教養人であることを示そうとした家財や装飾から、裕福な市民の嗜好が浮かび上がる。 また、街の有力者の多様な出自にも注目。ポンペイの資産家には、ビジネスの才覚でのし上がった解放奴隷や低い出自の女性もいたのだ。こうした人物に因んだ発掘品からは、一発逆転のチャンスがあった古代ローマ社会の動的な側面がうかがえる。

 

ブドウ摘みを表わした小アンフォラ(通称「青の壺」)ナポリ国立考古学博物館蔵

ブドウ摘みを表わした小アンフォラ(通称「青の壺」)ナポリ国立考古学博物館蔵

 

第3章 人々の暮らし:食と仕事

 

 ポンペイの街中にはパン屋や、テイクアウト可能な料理屋があり、手軽に食事をとることができた。裕福な家には台所があり、使用人たちが調理し、食事を供した。 本章では、台所用品や食器類、出土した食材を展示し、都市の食生活にせまる。また、医療用具、画材、農具、工具など、ポンペイの住民が使っていた仕事道具を紹介し、 実際にポンペイに生きた人々の日常生活に触れることができる。

 

パン屋の店先   ナポリ国立考古学博物館蔵

パン屋の店先   ナポリ国立考古学博物館蔵

 

第4章 ポンペイ繁栄の歴史

 

 本章では、ポンペイ繁栄の歴史を示す3軒の邸宅「ファウヌスの家」「竪琴奏者の家」「悲劇詩人の家」に注目し、会場内に邸宅の一部を再現している。モザイクや壁画の傑作、出土した生活調度品を鑑賞しつつ、 2000年前の邸宅の雰囲気を感じられる。「ファウヌスの家」は前2世紀にさかのぼる古い邸宅で、ヘレニズム美術屈指のモザイク装飾が残されている。「竪琴奏者の家」ではポンペイがローマ化し、 帝政期になってローマ文化が黄金時代を迎えた頃のフレスコ画、「悲劇詩人の家」では噴火直前に描かれたフレスコ画が有名である。順を追って展示品を鑑賞することで、ポンペイの繁栄の歴史を見ることができる。

 

踊るファウヌス ブロンズ ナポリ国立考古学博物館蔵

踊るファウヌス ブロンズ ナポリ国立考古学博物館蔵

 

第5章 発掘のいま、むかし

 

 本章では、18世紀から現在に至る発掘の歴史を振り返る。79年のヴェスヴィオ山の噴火で埋没したエルコラーノ(ヘルクラネウム)、ポンペイ、ソンマ・ヴェスヴィアーナの3遺跡をピックアップしている。 かつての発掘は美術品を獲得するための「宝探し」だったが、現在では厳密で慎重な発掘調査が行われている。同時に、遺跡や出土物の保護が、特に重要な課題となっている。 有名な「アレクサンドロス大王のモザイク」も表面の保護に続き、裏面の補修に向けた状態の確認作業が始まっている。本章では、こうした現在進行中の修復作業についても、リアリティのある映像を交えて紹介される。

 

 

【開催概要】

<展覧会名>特別展「ポンペイ」
<開催期間> 2022年1月14日(金)~4月3日(日)
<開館時間>9時30分~17時00分 ※金・土・日・祝日は18時まで
<休館日>3月22日(火)
<会場>東京国立博物館 平成館(上野公園)
    〒110-8712 東京都台東区上野公園13-9

 

<観覧料>

一般 2,100円
大学生 1,300円
高校生 900円

(注)「日時指定券」の事前のご購入・ご予約(オンラインのみ)をお勧めしています。正門窓口でも当日券をご購入いただけますが、混雑状況により入場をお待ちいただく場合や、当日券の販売が終了している場合があります。
チケットの予約方法の詳細は、展覧会公式サイトチケットページでご確認ください。

(注)中学生以下、障がい者とその介護者一名は無料。入館の際に学生証、障がい者手帳等をご提示ください。

(注)障がい者とその介護者一名は事前予約(日時指定券)は不要です。

(注)本展観覧券で、ご観覧当日に限り総合文化展もご覧いただけます。総合文化展の日時指定券をご予約いただく必要はありません。

(注)特別展「空也上人と六波羅蜜寺」(3月1日[火]~ 5月8日[日])は別途事前予約(日時指定券)および観覧料が必要です。

主 催 東京国立博物館、ナポリ国立考古学博物館、 朝日新聞社、NHK、NHKプロモーション
特別協賛 住友金属鉱山
協 賛 大和ハウス工業、凸版印刷、竹中工務店
後 援 イタリア大使館

 

展覧会公式サイト
 https://pompeii2022.jp/

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