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歴史上の人物を四柱推命で鑑定!第89回~細川忠興~

家臣から「天下で一番気が短い」と評された武将の素顔

運勢エネルギーが一般よりも低く、それは“天才”とも言えるのだが…

 

忠興と妻・ガラシャが新婚時代を過ごした勝竜寺城の本丸その他が残る、勝竜寺城公園(京都府長岡京市)/著者撮影

 歴史上の人物に迫るには様々なアプローチがあるが、ここでは四柱推命(しちゅうすいめい)という手法を用いて、歴史上の人物がどんな性格であり、なぜ成功したのか(失敗したのか)を読み解く。※四柱推命と用語の説明はページの最後をご覧ください。

 

 今回は、細川藤孝(ほそかわふじたか)の嫡男(ちゃくなん)で、明智光秀の娘・ガラシャの夫、細川忠興(ただおき)を四柱推命で鑑定する。細川家の地盤を固めた忠興であるが、四柱推命鑑定の結果、父・藤孝とは全く異なり、この世に執着を持たず、真面目で攻撃的な性格であることが明らかになった。

 

細川忠興

生年月日: 永禄61113日(グレゴリオ暦:西暦1563128日)

細川忠興:永禄6年11月13日生まれの命式表

 忠興の生年月日から命式表を割り出すと上記のようになる。この中で、性格を表す、通変星・蔵干通編星をわかりやすく円グラフに表すと、人脈70%、行動力30%となった。知性、自立心、遊び心は持っていなかった。

 

細川忠興:永禄6年(1563)11月13日生まれの場合の性格

 

知性…様々な分野の知識が豊富で、何かを学ぶことに喜びを感じる。頭の回転が速く、物事を論理的に捉えることが上手

 

行動力…頭で考えるよりも行動で結果を出す。未知の分野に挑戦する意欲が強く、交渉力や営業力を磨けば成功できる

 

人脈…さりげない気配りができて誰とでも仲良くなれる。サービス精神が旺盛でコミュニケーション能力も高く人を動かせる。

 

自立心…他人に依存することなく、自分が信じた道を突き進む強い精神性。リーダーシップを発揮しフリーで活躍できる。

 

遊び心…楽しいことを企画する等、生活に遊びを取り入れることが自然とできる。芸術面の才能があり、表現力が豊富。

 

 これらを材料に、忠興の性格を読み解いていく。

 

○性格のバランスが悪く単純な性格

 上で見たように、通変星には5つの星があるが、忠興はこのうち、人脈と行動力の2つしかもっていなかった。性格のバランスが悪く、できることとできないことの差が激しかったことと思う。そう考えると、忠興は戦国大名という立場でよかったのではないか。得意を伸ばし、苦手なことは家臣にやってもらえばいいのだから…。一介の家来やサラリーマンだったら、ミスの連続で苦労することもあっただろう。文化人で世渡り上手な父の存在もかなり影響したはずだ。

 

 しかも、通変星は10種類あるにも関わらず、忠興の場合、正財と偏官の2種類しかもっていない。非常にわかりやすい性格といえそうだ。

 

○真面目で世間体を気にする!

 「正財」(せいざい)は、真面目で人からの信頼の厚い星であるが、これを3つ持っている忠興は、ちょー真面目人間!石橋を叩いて渡るタイプだったと推測される。偉大な父、藤孝から言われるがまま、コツコツと取り組んだことだろう。忠興も藤孝同様、文化人として今に伝わる。

 

 正財を持つ人は、周りに気を遣い、周りの評価を気にする。妻・ガラシャ(玉)の父、明智光秀が本能寺の変を起こすと、ただちにガラシャを丹後の山奥に幽閉してしまったことからも、その特徴が垣間見える。幽閉は2年間続いたという。

 

○裏表のない性格!

 通変星の中で大事な星が2つある。まずは、月柱の蔵干通編星で、主星(しゅせい)。もう1つが、日柱の蔵干通変星で、自星(じせい)だ。主星は仕事など、オフィシャルな面を表し、自星は恋愛や趣味等、プライベートな面を表す。忠興はこの場所にいずれも「正財」を持っている。つまり、オフィシャルもプライベートも一緒、表裏がなく、どんな場面でも真面目で人から信頼される人だったと想像される。

 

○いい夫!のはずが…

 「正財」は男性にとって結婚運であり、家庭的で奥さんを大切にする。これを3つも持っていた忠興は、さぞかし奥さんを愛したことだろう。

 

 しかし、「正財」が3つともなると、どうやら度を越してしまったようだ…。忠興は、15歳の時に明智光秀の三女、ガラシャを娶(めと)った。結婚を命じた織田信長が「人形のように可愛い夫婦」と言うほど、麗しくお似合いのカップルだったようだ。結婚の翌年には長女の「ちょう」が、その翌年には長男の忠隆(ただたか)が誕生している。

 

 しかし、年を経ると、忠興のその愛情は偏愛化した。光秀の謀反のために一時幽閉されたガラシャだったが、2年後に細川家の大坂屋敷に戻った。忠興はガラシャの心が自分から離れていくのを察したのか、嫉妬心によるものか、忠興はガラシャの行動を厳しく監視するようになった。屋敷を出入りする者を記録し、伝言を残すことも許さなかったという。カトリックに救いを求めるガラシャだったが、教会に出かけることもできないため、侍女を教会に通わせて洗礼を受けさせ、忠興が九州征伐に出陣している間に、自室で侍女の手によって洗礼を受けたという。ガラシャは宣教師に離婚を相談していたという。

 

 また、こんなエピソードも残る。食事をしていた時のこと。庭師がガラシャに見とれていたと激高した忠興は、庭師の首を切り落とし、刀に付いた血をガラシャの着物で拭うという暴挙に出た。ところがガラシャはその惨状をものともせず、食事を続け、汚れた着物を数日間着続けたという。嫉妬に狂う夫と冷めた妻…。浮気をしない夫は世間では理想とされるが、正財がありすぎるのも、考え物かも…。

 

○攻撃性あり!

 通変星に「偏官(へんかん)」を2つ持っているが、これは攻撃的で野性的な星。2つ持っていたことから、この性格が強まっていたと考えられる。

 

 確かに、忠興はこのイメージが強いだろう。忠興は家臣から「天下で一番気が短い」と称されるほど短気な人物として知られており、家臣や奉公人をしばしば手打ちにすることがあった。しかし、戦場での活躍は目覚ましく、忠興は15歳の時に信貴山城(しぎさんじょう)の松永久秀(ひさひで)を攻撃して手柄を立てたのを皮切りに、関ヶ原の戦いでも136もの首級を挙げたという。武功では父に勝っていると言ってよい。これらの働きにより、細川家を盤石なものとした。

 

○父親・藤孝とは正反対の性格! この世に執着がない!

 以前父・藤孝を鑑定したが、十二運星に、帝旺(ていおう)と建禄(けんろく)という、王様の星と王子様の星を持っているように、信長に匹敵するエネルギッシュさで大名向きのリーダーシップを持っていた。また、非常に頭がよく性格のバランスがとれていた。一方、忠興はどうだろう。父親の運勢エネルギーが27なのに対して、忠興は7。一般の平均は15と言われるから、一般と比べても相当低いということになる。

 

 しかし、エネルギーが極端に低いというのは、天才にもなり得るという側面を持ち、ひと言では言い表せない部分がある。父・藤孝は出世やお金に興味があったのに対し、忠興はそれほど現世に執着がなく、過去世や未来に目を向けていたと考えられる。性格も全然違うため、父親とは何かとぶつかったに違いない。生涯父親に対してコンプレックスを抱えていた可能性がある。

 

 以上、細川忠興の四柱推命鑑定をしてきたが、生真面目で攻撃的な性格であることが明らかになった。また、戦国武将二世の特徴がだんだんと見えてきた。以前、豊臣秀頼(ひでより)や徳川秀忠(ひでただ)の鑑定をしたことがあるが、忠興同様、運勢エネルギーが低く、今世に執着がなかった。お坊さんのような性格でなければ、偉大な父の跡を継げないのかもしれない。細川ガラシャファンとしては忠興のことはどうしても好きになれなかったが、忠興は大きなプレッシャーの中に生きていたかと思うと、同情心が湧いてくる。

 

勝竜寺城公園では、見頃になると梅・桜・ツツジなどが園内を彩る/著者撮影

【参考文献】

戦国愛のカタチ「妻を愛しすぎた男、細川忠興の屈折した愛情」 刀剣ワールドHP https://www.touken-world.jp/tips/17554/ (2020129日最終アクセス)

■四柱推命とは?

 古代中国で生まれた「過去、現在、未来」を予見する運命学のひとつで、陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)をもとに、人が生まれながらにして持っている性格、能力、素質を理解し、その人の努力や経験で変わる後天的な運命までも予測することができる。

 

 具体的には、生まれた日(生まれた年・月・日・時間)をもとに命式表(めいしきひょう)を作成し占っていく。なお、ここでは生まれた時間は鑑定に含めていない。

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妃萃(本名:油川さゆり)(ひすい)
妃萃(本名:油川さゆり)ひすい

青森県八戸市出身。慶應義塾大学 社会学研究科 教育学専攻 修士課程修了、同研究科 同専攻 後期博士課程在学中。2013年鳥海流・鳥海伯萃より四柱推命の指南を受ける。これまで500人以上を鑑定。多数の弟子を輩出。

元放送局報道記者。フリーアナウンサーとして、BS11の番組にレギュラー出演しているほか、ナレーターや司会として活動中。日本の歴史、伝統芸能を伝えるため、歴史勉強会、その他イベントを主宰。自身も大和言葉、辞世の句、武田氏と油川氏等について講演活動を行う。合同会社真己、共同代表。また、2016年6月から「カミムスヒ」というソングユニットで歌手活動を開始。手話検定3級、ホームヘルパー、視覚障害者ガイドヘルパーの資格を持ち、社会福祉活動に積極的に携わる。

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