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父よりはるかに長く権力の座についた藤原頼通

紫式部と藤原道長をめぐる人々㊸


11月10日(日)放送の『光る君へ』第43回「輝きののちに」では、三条天皇(木村達成)に譲位を迫る藤原道長(ふじわらのみちなが/柄本佑)の姿が描かれた。一方、藤式部(とうしきぶ/のちの紫式部/吉高由里子)の娘・藤原賢子(かたこ/けんし/南沙良)は、初恋の相手から唐突に別れを告げられたのだった。


■病に苦しむ三条天皇に譲位を迫る

宇治神社の鳥居前にある源氏物語宇治十帖モニュメント(京都府宇治市)。宇治は平安貴族の別荘地として隆盛を誇り、藤原道長の別荘もあった。息子の頼通は父の邸宅を改装し、極楽浄土を模した平等院鳳凰堂を建立している。宇治は『源氏物語』最後の十帖の舞台としても知られている

 藤原道長の娘で中宮の藤原妍子(きよこ/けんし/倉沢杏菜)と三条天皇との間に禎子(ていし)内親王が生まれた。しかし、道長の望む皇子ではなかった上、内裏は焼亡し、三条天皇は徐々に視力と聴力が蝕まれる病にかかるなど、思いも寄らない混乱が立て続いていた。

 

 症状が重篤化しつつあり、政務に差し障りがあると見た道長は、三条天皇に譲位を進言。しかし、三条天皇は頑なに応じようとしない。

 

 一方、光る君亡き後の『源氏の物語』を書き始めた藤式部のもとに、父である藤原為時(ためとき/岸谷五朗)が任地の越後国から戻ってきた。それと入れ替わるように、式部の娘・藤原賢子が恋心を抱く双寿丸(そうじゅまる/伊藤健太郎)が大宰府に赴くこととなった。

 

 同行を希望する賢子だったが、双寿丸にはっきりと拒まれる。傷心を抱えた賢子は母に胸の内を打ち明けたところ、心が晴れた。気持ちを入れ替えた賢子は、旅立つ双寿丸のために宴を催す。双寿丸の姿を目に焼き付けようと見つめる娘・賢子を、式部は温かく見守るのだった。

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小野 雅彦おの まさひこ

秋田県出身。戦国時代や幕末など、日本史にまつわる記事を中心に雑誌やムックなどで執筆。近著に『「最弱」徳川家臣団の天下取り』(エムディエヌコーポレーション/矢部健太郎監修/2023)、執筆協力『歴史人物名鑑 徳川家康と最強の家臣団』(東京ニュース通信社/2022)などがある。

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