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「歴史は最大の娯楽であり、生きるための指針」。濱田浩一郎先生が龍馬をきっかけに進んだ“歴史への道”

歴史への道


歴史の専門家たちは、いつ、どうやって“歴史”と出会ったのか?歴史を愛し生業とする“歴史のプロ”たちが、「歴史を知る楽しみ」「歴史とは何か」を語ってくれる当連載<歴史への道>。今回は、大阪府生まれ、兵庫県相生市県出身で、歴史学者・作家として幅広い時代の歴史をわかりやすく伝え続けている濱田浩一郎先生が、龍馬をきっかけに歩み始めた“歴史への道”を語ってくれました。


 

■きっかけは、坂本龍馬との出会い

坂本龍馬(国立国会図書館蔵)

――さっそくですが、先生が“歴史”に興味を持ったのはいつ頃で、きっかけは何でしたか?

 

濱田先生:私が小学3年生の時に、NHKで坂本龍馬を主人公にしたアニメ「お~い!竜馬」が放送されていて。それを観て、漠然とではありますが、歴史に興味を持ったように思います。その後、歴史好きの祖父と一緒に大河ドラマを観て、歴史への関心が更に深まりました。

 

――おじいさまと一緒に大河ドラマを観る…。素敵な経験ですね!特に記憶に残っている作品はありますか?

 

濱田先生:例えば「花の乱」「八代将軍吉宗」「秀吉」などですね。ほかにも、横山光輝さんの歴史漫画、「織田信長」「豊臣秀吉」「徳川家康」「武田信玄」なども、小学校高学年の間に読みました。小学校の卒業文集に、「将来は歴史家になりたい」と書くほどの歴史好きになっていました。歴史アニメ・漫画と時代劇が、歴史に興味を持つ大きなきっかけになりましたね。

 

――なるほど。そうして“歴史のプロ”となった今、歴史を学ぶ楽しさは、どんなところにあると感じていますか?

 

濱田先生:先人たちの喜怒哀楽、様々な情念、そして人間ドラマを、歴史を探究することによって味わうことができます。純粋に、それが歴史を学ぶ1つの楽しさでもありますね。歴史上の出来事と現代に起こっている類似の事象とを重ね合わせて見ることで、「歴史は繰り返す」ということも理解できます。

 

――「歴史は繰り返す」。“歴史のプロ”の口から聞くと、より説得力がありますね…。

 

濱田先生:そのため、歴史上の様々な出来事から、現代における課題解決のヒントが見つかることもあると思いますし、それが歴史を学ぶ醍醐味でもあり、意義ではないかと考えています。歴史研究においては、先人の研究成果を踏まえつつ、少しでも新しい“視点”や“事物”を「発見」できた時に、大きな喜びを感じますね。

 

■「歴史は最大の娯楽」苦労さえ“楽しみ”

 

――歴史は、過去だけの話ではないということですね。では反対に、“歴史”を研究するうえでの苦労はありますか?

 

濱田先生:歴史を研究する上で欠かすことができないのが、残された古文書や古記録などの史料です。研究テーマによっては、この史料が余り残されていないこともあったり、史料があったとしても、そこから得られる情報は極く僅かということもあります。そうした時に、歴史をどのように「再現」し、論述していくのか。それが、歴史を研究する上での1つの苦労かもしれません。

 

――数少ない史料から歴史を「再現」する。たしかに、とても難しそうですね…。

 

濱田先生:ただ、それがまたワクワクすること、楽しみでもあるのですが(笑)

 

――苦労すら「楽しみ」と言えるなんて、先生がとても歴史好きなのが伝わりました(笑)。では、そんな先生が今一番注目している歴史トピックは何ですか?

 

濱田先生:今度、幕末の政変とそれに関連する明治時代の仇討ちに関する本を刊行するのですが、そうしたこともあって、今は「仇討ち」について注目しています。

 

――「仇討ち」!それはまた、いろんな人間ドラマがありそうですね…。ちなみに、もし1度だけ過去にタイムスリップできるなら、行ってみたい時代はありますか?

 

濱田先生:私が歴史好きになるきっかけになった人物が坂本龍馬ですので、幕末にタイムスリップして、龍馬に色々とインタビューしてみたいですね。彼の生い立ちについてのことや、どのような想いで国事に奔走しているか、など…。

 

――なるほど。龍馬の性格なら、ノリノリで答えてくれるかもしれないですね(笑)。では最後に一言、先生にとって“歴史”とは?

 

濱田先生:最大の娯楽であり、かつまた、生きるための指針です。

 

――おお!これは全歴史ファンが共感しちゃいそう!濱田浩一郎先生、ありがとうございました!!

 

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