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遼の〝伝説の皇后〞と呼ばれた「睿智蕭」とはいかなる人物だったのか?

睿智蕭という女性の魅力


 歴史の中で強い武将、優れた名将が出現し、ときとして時代に変革をもたらすこともある。それに並ぶように、綺羅星のごとく光る女性が登場し、男たちを、時の権力者たちを圧倒することもあった。歴史は男が常に中心に語られ、女性が登場することは稀であることも事実。本記事で紹介するのは、契丹族が樹立させた、中国初の征服王朝・遼の歴史で国家統一を果たした伝説の皇后・睿智蕭(えいちしょう)皇后という人物。中国国内でTV 視聴率&配信ランキング1位となった本格歴史エンターテイメント「燕雲台-The Legend of Empress-」で主人公として描かれた彼女の魅力を解き明かしていく。


 

則天武后や楊貴妃だけにあらず
個性際立つ中国史の女性たち

 

 

 耶律阿保機が最初で最後、キタイ族では彼以降優れた君主に恵まれなかった。2代目の太宗は単純素朴な性格にして、根からの武人。戦場では頼もしいが、政治はまったくの不得手で、せっかく黄河中流域を征圧しても、占領行政の失敗から長く留まることはできなかった。

 

 3代目の世宗は在位わずか4年で暗殺され、4代目の穆宗も評判がよくなかった。2代目以降はみなダメで、キタイは賢明な皇后たちに支えられている感さえあった。

 

 中国史に名を残した女性は尊貴な地位にある男性の母か妻、さもなければ娘か愛妾のどれかである。ドラマ『燕雲台』の場合、主人公とその姉たち三姉妹はそれぞれ帝位継承権を持つ皇族に嫁ぎ、水面下で展開される後継者争いの当事者となる。華流時代劇で定番の宮廷を中心とした愛憎劇が繰り広げられるわけである。

 

 

 史料によれば、本作の主人公・睿智蕭は幼いころから聡明で、父の蕭思温から大いに期待された。景宗の崩御(ほうぎょ)に伴い、皇太后として摂政の役目に担うにあたっては不安をあらわにしていたが、耶律斜軫(やりつしゃしん)や韓徳譲(かんとくじょう)らの励ましと助力を得ながら、内政外交ともに見事な舵取りを行った。

1890年代に中国の小説の中で描かれた睿智蕭息子に代わって政治を執った睿智蕭。1890年代の小説にも登場し、歴史にインパクトを残した女傑として名を残す。イラスト/さとうただし

 このドラマの登場人物を男性ばかりにしたなら、不特定多数の視聴者を得られる作品とはなりえなかっただろう。一日24時間のうち半分を無視して、その半分の時間帯で物事すべてが推移していくなど、不自然極まりなく、面白みにも欠ける。

 

 できるだけ多くの登場人物の個性を際立たせるには私生活を描く必要があり、いっそ女性を主人公にしたほうがよいのではないか。このような議論が実際に交わされたかどうかはともかく、NHK大河ドラマと連続テレビ小説、時代劇、青春・恋愛ドラマ、任侠ヤクザものの要素を合わせた華流時代劇は面白み満載で、見る者を引きずり込んでやまない。

 

 主人公が女性であれば、誰と結婚するか、結婚相手は出世できるのか、生まれた子は無事に成長できるのかと、次に来る障壁が予測できながら、その成り行きが気になって仕方がない。『燕雲台』もそんなワクワク感を存分に味わえる作品のはずである。

 

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愛と陰謀の渦中で、国家統一を果たした伝説の皇后の激動の生涯を描く、2021 年No.1 本格歴史エンターテイメント!

<STORY>
契丹(きったん)人の国である遼の北府宰相・蕭思温(しょうしおん)の三女・蕭燕燕(しょうえんえん)は、父親と長女・蕭胡輦(しょうこれん)、次女・蕭烏骨里(しょううこつり)の愛を受けて真っすぐで勇敢な女性に育つ。そして、彼女は漢民族ながら遼の朝臣である韓徳譲(かんとくじょう)と出逢い、国の未来へ大志を抱く2 人はやがて愛し合うようになる。一方、朝廷では暴君として恐れられる第四代皇帝・穆宗(ぼくそう)の座を狙い、権力争いが続いていた。そんな中、皇后を輩出する后(こう)族の筆頭である蕭家の三姉妹は、王位簒奪(さんだつ)の切り札とみなされていた。その結果、簫胡輦が穆宗の弟・耶律罨撒葛(やりつえんさつかつ)に、簫烏骨里が初代皇帝・太祖(たいそ)の孫・耶律喜隠(やりつきいん)に嫁ぐことに。残された簫燕燕は韓徳譲と婚約を結んでいたが、暗殺された前皇帝の息子で韓徳譲の親友である耶律賢(やりつけん)に見初められ…。

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予告編 https://youtu.be/yXu43W969YE

第1回 https://youtu.be/J66IEo7OTZE

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島崎 晋しまざき すすむ

1963年東京生まれ。立教大学文学部史学科卒業。旅行代理店勤務、歴史雑誌の編集を経て、現在、歴史作家として幅広く活躍中。主な著書に『歴史を操った魔性の女たち』(廣済堂出版)、『眠れなくなるほど面白い 図解 孫子の兵法』(日本文芸社)、『仕事に効く! 繰り返す世界史』(総合法令出版)、『ざんねんな日本史』(小学館新書)、『覇権の歴史を見れば、世界がわかる』(ウェッジ)など多数。

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