歴史上の人物を四柱推命で鑑定!第94回~フェリペ2世と4人の妻との相性~
スペイン帝国の繁栄・衰亡にも影響を与えた4人の妻たち
60人に1人の確立!相性最悪と鑑定された妻とは⁉

16世紀にフェリペ2世が王室の春と秋の別荘として建築を命じ、18世紀のカルロス3世の時代に完成したアランフェス宮殿。現在は世界遺産として登録されている。
歴史上の人物に迫るには様々なアプローチがあるが、ここでは四柱推命(しちゅうすいめい)という手法を用いて、歴史上の人物がどんな性格であり、なぜ成功したのか(失敗したのか)を読み解く。※四柱推命と用語の説明はページの最後をご覧ください。
スペイン帝国の最盛期、「太陽の沈まぬ国」を支えたフェリペ2世。敬虔(けいけん)なカトリックにも関わらず、4人の女性と結婚した。というのも次々と妻を亡くしたからだ。中には、イギリス国王・メアリ1世もいる。四柱推命による鑑定の結果、フェリペ2世は強靭なエネルギーと信念を持つ、ストイックな性格の変わり者であることが明らかになった。そんなフェリペの4人の妻達との相性はいかに?
まずは、4人の妻達の生年月日をもとに、簡単に四柱推命で鑑定した。1人目のマリアは真面目で優しい女性だったが、2人目以降の妻は、3人そろって自分をしっかり持った、攻撃的で恋愛体質な女性であった。フェリペが変わり者なだけに、女性の趣味も独特だった可能性がある。
①マリア・マヌエラ・デ・ポルトゥガル(生年月日(グレゴリオ暦):1527年10月25日)
ポルトガル王・ジョアン3世と王妃・カタリーナの長女。フェリペとは、母方でも父方でも従兄妹の関係にある。 1545年、最初の子カルロスを出産すると、その4日後に産褥(さんじょく)により死去した。なお、カルロスは、オペラ「ドン・カルロス」の題材となっている。
【鑑定結果】
・超真面目人間のお役人タイプ
・人脈が豊富、財運に恵まれる
・優しい
・子ども好き
②メアリ1世(生年月日(グレゴリオ暦):1516年2月28日)
イングランドとアイルランドの女王。ヘンリー8世と最初の王妃・キャサリン・オブ・アラゴンとの娘。異教徒への迫害から「ブラディ・メアリ」の異名を持つ。
【鑑定結果】
・性格のバランスがとれている
・攻撃的
・強い信念の持ち主
・恋愛体質
※詳細は『歴史上の人物を四柱推命で鑑定!第92回~メアリー1世~』をご覧ください
③エリザベート・ド・ヴァロワ(生年月日(グレゴリオ暦):1545年4月12日)
フランス王・アンリ2世と妃・カトリーヌ・ド・メディシスの長女として、生まれた。2子を出産したが、第3子を死産し、その後亡くなった。
【鑑定結果】
・組織をまとめるリーダーシップを持つ
・攻撃的
・恋愛体質
④ アナ・デ・アウストリア(生年月日(グレゴリオ暦):1549年11月11日)
父は神聖ローマ皇帝マクシミリアン2世、母は皇后マリア(フェリペ2世の妹)。2人の間に5子が生まれた。1580年、フェリペはポルトガルを併合したため、アナはポルトガル王妃になった。しかし同年、急逝した。
【鑑定結果】
・自分を持っている
・攻撃的
・恋愛体質
・芸術家タイプ
・天才肌
続いて、勝手ながら、フェリペ2世と4名の妻の相性鑑定を行った。結果は下記である。
フェリペと最も相性が良かったのは、最後の妃・アナ! 最高の相性!
相性鑑定の結果、フェリペは、最後の妃・アナと、宿命大半会(しゅくめいだいはんかい)という関係であることが明らかになった。この2人が組むことにより可能性が広がりスケールの大きな仕事や実績を残すことができる。お互いにとって30人に1人の貴重な相手だ。
4人の妻の中で最も長い10年という結婚生活を継続した。2人の間には5人の子どもがいたが、長男が生まれたのがレパントの海戦のすぐ後だった。この子はフェルナンドと名付けられフェリペはたいそう喜んだという。神のご加護、異教徒を倒し世継ぎを授かったと、さっそくティチアーノに描かせた作品がプラド美術館に所蔵されている。しかし、成人したのは、末子のフェリペ3世のみで、フェリペ2世の後を継いだ。
フェリペと最も相性が悪かったのは、メアリ! 最悪の相性…
相性鑑定の結果、フェリペは、メアリと納音(なっちん)という、最悪の相性であることが明らかになった。2人が組むことにより、お互いかみ合わず仕事がなかなか進まなかったり、些細なことでも言い合いになったり、完成しかけていたものが白紙に戻ったり、最後の契約で破断になったりすることがある。60人に1人という、最も馬が合わない相手だ。
フェリペとメアリの結婚が成立するや否や、イギリス国民は不満を表し、2・3の州で反乱が発生した。また、フェリペは約束したにもかかわらず、フランスとの戦争にイギリスを巻き込み、その結果、イギリスは大陸の最後の拠点であったカレーを失うことになった。フェリペとの結婚は、イギリスにとって散々なものだった。
2人の仲もよくなかったのだろう。一緒に過ごしたのは短い期間の2回だけ。メアリは子どもを待望していたが、2度の妊娠騒動も想像妊娠だったという。お腹が膨れたのも腫瘍のせいだというが、死の床にフェリペが立ち会うこともなかった。
以上、フェリペとの妻達の相性鑑定をしてきたが、改めてご縁の不思議について考えさせられた。相性がいいから続くというものでもないし、相性が悪いから避けられるものでもない。また、武田信玄と上杉謙信、吉田松陰と井伊直弼の相性がそれぞれ100%であるように、相性がいいからこそ争い、憎み合う関係もある。良くも悪くもご縁を頂けることに感謝し…来世では、フェリペとメアリが笑いながらブラッディ・メアリを酌み交わせる時が来ることを願う。

フェリペ2世の命令により建てられたエル・エスコリアル修道院は16世紀にスペイン王家の墓所として、またスペインの反宗教改革の研究施設として建てられた。現在は観光スポットとして人気を集めている。
■四柱推命とは?
古代中国で生まれた「過去、現在、未来」を予見する運命学のひとつで、陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)をもとに、人が生まれながらにして持っている性格、能力、素質を理解し、その人の努力や経験で変わる後天的な運命までも予測することができる。
具体的には、生まれた日(生まれた年・月・日・時間)をもとに命式表(めいしきひょう)を作成し占っていく。なお、ここでは生まれた時間は鑑定に含めていない。