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歴史上の人物を四柱推命で鑑定!第93回~フェリペ2世~

「太陽の沈まぬ国」スペイン帝国を支えた王とは?

「建禄」「冠帯」を兼ね備えた王様の資質を持つ笑顔なき変わり者

16世紀にフェリペ2世が王室の春と秋の別荘として建築を命じ、18世紀のカルロス3世の時代に完成したアランフェス宮殿。現在は世界遺産として登録されている。

 歴史上の人物に迫るには様々なアプローチがあるが、ここでは四柱推命(しちゅうすいめい)という手法を用いて、歴史上の人物がどんな性格であり、なぜ成功したのか(失敗したのか)を読み解く。※四柱推命と用語の説明はページの最後をご覧ください。

 

  今回は、スペイン帝国の最盛期、「太陽の沈まぬ国」を支えた、フェリペ2世を四柱推命で鑑定する。強靭なエネルギーを持ち、ストイックな性格の持ち主であることが明らかになった。

 

フェリペ2

生年月日: ユリウス暦1527521日(グレゴリオ暦:1527531日)

フェリペ2世: ユリウス暦1527年5月21日生まれの命式表

 通変星、蔵干通変星からフェリペ2世の性格を読み解いていく。通変星、蔵干通変星をわかりやすく円グラフに表すと下記のようになる。

フェリペ2世: ユリウス暦1527年5月21日生まれの性格

知性…様々な分野の知識が豊富で、何かを学ぶことに喜びを感じる。頭の回転が速く、物事を論理的に捉えることが上手

 

行動力…頭で考えるよりも行動で結果を出す。未知の分野に挑戦する意欲が強く、交渉力や営業力を磨けば成功できる

 

人脈…さりげない気配りができて誰とでも仲良くなれる。サービス精神が旺盛でコミュニケーション能力も高く人を動かせる。

 

自立心…他人に依存することなく、自分が信じた道を突き進む強い精神性。リーダーシップを発揮しフリーで活躍できる。

 

遊び心…楽しいことを企画する等、生活に遊びを取り入れることが自然とできる。芸術面の才能があり、表現力が豊富。

 

○知性40%!頭がいい!

 フェリペは命式表に「偏印(へんいん)」と「印綬(いんじゅ)」を持っている。これはいずれも「知性」の星で、頭の回転が速く、物事を論理的に捉えるのが得意。中でも「偏印」は企画力や発想力があり、「印綬」は知識が豊富で勉強好き。

 

 スペイン帝国の全盛期を謳歌したフェリペ。フランスのルイ14世のようにさぞかし豪華絢爛な生活を送ったかと思きや、豪遊生活とは無縁の地味な生活だったという。彼のあだ名は「書類王」。書類整理を好み、植民地からあがってくる膨大な量の報告書を黙々と読み込み、時には綴りの間違いまで訂正していたという。その数、月に1000通、勤務時間はしばしば一日あたり14時間に達したのだとか。フェリペは自ら「この山腹から、余は2インチの紙片で世界の半分を統治している」と語ったように、日々書類の山と向き合った。これぞ頭のよいフェリペだからこそ成せる業。フェリペが行っていた書類ベースのシステムを誰も引き継ぐことはできず、フェリペの死後は廃止されてしまった。

 

○個性的!変わり者!

「偏印(へんいん)」は知性の星であるとともに、個性的で変わり者の星。しかもフェリペは主星(しゅせい:月柱の蔵干通変星)という、性格を表す最も大事な場所に持っている。かなり個性的な人物だったのだろう。

 

 7つの海を制覇したスペイン帝国には、世界の様々な地域から珍しい陶器や宝石が入ってきた。しかし、フェリペは高価な品々にほとんど関心を持たなかったという。フェリペが唯一興味を持ったのは自国のものだけ。スペインの食べ物、スペインの文化を好み、マドリード近郊で作られるタラベラ焼を支援した。タラベラ焼は、マイセンやセーブルといった豪華さはなく、家庭的で素朴な陶磁器だ。これを愛用していたフェリペは、タラベラ焼を発展させるべく、技術職人をオランダから召集し、多様な模様を加えさせた。フェリペは、タラベラ焼のタイルや陶磁器を大量に注文したという。

 

 フェリペの父・カルロス1世(カール5世)は、スペインに留まらず広大な神聖ローマ帝国領の各地を移動していたが、フェリペはほとんどスペインから離れず、スペイン語(カタルーニャ語)しか話さなかった。他の人とは違う感性を持っていたのだろう。

 

○王様向きの強いエネルギー!

 フェリペは十二運星に「建禄(けんろく)」と「冠帯(かんたい)」を持っている。建禄は王子様の星、冠帯は女王様の星で、いずれも「身強(みきょう)の星」と呼ばれ、エネルギーが強く人の上に立つのが得意だ。

 

 フェリペは、父から継承したスペイン、ネーデルラント、ナポリ、シチリアなどのヨーロッパ内の領地と、アメリカ大陸、アジアのフィリピンなどの領土を支配し、その支配領域は広大であった。フィリピンの名前の由来は、「フェリペ」の名前に由来しており、首都のマニラには今でもスペインの植民地統治の跡が色濃く残る。

 

 また、1580年、ポルトガル王家が断絶すると、母がポルトガル王家出身であったことから王位継承権を主張し、フェリペ1世というポルトガル王として即位した。このポルトガルの併合によって、イベリア半島を支配し、さらにアフリカ、インド、東南アジア、中国に点在する海外領土を獲得して、スペインは「太陽の沈まぬ国」を実現させた。

 

○頑固で強い信念の持ち主!

 命式表の中に「比肩(ひけん)」を持つフェリペ。比肩は自立心の星だが、職人気質で一匹狼、強い信念を持ち頑固な性格だ。

 

 フェリペはカトリックを信奉していた。その熱は相当なもので、「異端者に君臨するぐらいなら命を100度失うほうがよい」と述べ、カトリックによる国家統合を最も重視した。プロテスタントをはじめ、ユダヤ教徒、モリスコ(キリスト教に改宗したイスラム教徒)の動きを厳しく告発し、異端者に対し何度も火刑を行った。

エル・エスコリアル修道院は16世紀にスペイン王家の墓所として、またスペインの反宗教改革の研究施設として建てられた。現在は観光スポットとして人気を集めている。

○遊び心がない!ストイックな性格!?

 5種類の星のうち、フェリペは「遊び心」のみ、持っていなかった。つまり性格に遊びを取り入れることをしない、ストイックな性格の持ち主ということだ。

 

 フェリペはほとんど笑うことがなかったという。そんなフェリペが初めて笑った時の逸話が残る。当時ヨーロッパでは旧教と新教の対立から宗教戦争が起こっていた。そんな中、フランスでもユグノー戦争の最中にサンバルテルミの虐殺が起こり、多数の新教徒が殺害された。その知らせを聞いたフェリペは、この時初めて笑ったのだとか。少し極端なエピソードではあるが、このことが語り継がれるほど、普段は難しい顔をして過ごしていたのだろう。

 

 以上、フェリペ2世を四柱推命鑑定してきたが、エネルギーが強く、頑固、変わり者でストイックという性格が垣間見え、かなりとっつきにくさを感じた。偉業を成し遂げる人は、このように多少の変人が多いのだろう。イングランドのメアリー1世をはじめ、生涯で4度の結婚をしたが、奥様の苦労が手に取れる…。

 

 華々しく領土を拡大する一方、オスマントルコとの戦争、オランダの独立戦争が続き、財政は火の車だった。1588年、オランダの独立戦争を支援していたイギリスに対し、無敵艦隊を派遣したものの、アマルダの海戦で敗北。さらにはペストの流行が追い打ちをかけ、フェリペの命の終わりとともにスペイン黄金時代も終わりを告げた。フェリペの存在の大きさを物語っている。                        

 

【参考文献】

フェリペ2世 「太陽の沈まぬ帝国」スペインの絶頂期に君臨した、素朴を好んだ国王Woburn Abbye HP https://wabbey.net/blogs/blog/felipe2   (2021123日最終アクセス)

 

フェリペ2世 世界史の窓HP https://www.y-history.net/appendix/wh0904-039.html

 (2021123日最終アクセス)

 

■四柱推命とは?

 古代中国で生まれた「過去、現在、未来」を予見する運命学のひとつで、陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)をもとに、人が生まれながらにして持っている性格、能力、素質を理解し、その人の努力や経験で変わる後天的な運命までも予測することができる。

 

 具体的には、生まれた日(生まれた年・月・日・時間)をもとに命式表(めいしきひょう)を作成し占っていく。なお、ここでは生まれた時間は鑑定に含めていない。

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妃萃(本名:油川さゆり)(ひすい)
妃萃(本名:油川さゆり)ひすい

青森県八戸市出身。慶應義塾大学 社会学研究科 教育学専攻 修士課程修了、同研究科 同専攻 後期博士課程在学中。2013年鳥海流・鳥海伯萃より四柱推命の指南を受ける。これまで500人以上を鑑定。多数の弟子を輩出。

元放送局報道記者。フリーアナウンサーとして、BS11の番組にレギュラー出演しているほか、ナレーターや司会として活動中。日本の歴史、伝統芸能を伝えるため、歴史勉強会、その他イベントを主宰。自身も大和言葉、辞世の句、武田氏と油川氏等について講演活動を行う。合同会社真己、共同代表。また、2016年6月から「カミムスヒ」というソングユニットで歌手活動を開始。手話検定3級、ホームヘルパー、視覚障害者ガイドヘルパーの資格を持ち、社会福祉活動に積極的に携わる。

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