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道長の子孫繁栄に「終止符」を打った後朱雀天皇

紫式部と藤原道長をめぐる人々㊽


12月15日(日)放送の『光る君へ』最終回「物語の先に」では、藤原道長(ふじわらのみちなが/柄本佑)の最期の様子が描かれた。道長を見舞う藤式部(とうしきぶ/のちの紫式部/吉高由里子)は病床で、二人だけの物語を語り聞かせ、最期の時を共にするのだった。


■藤式部が何にも縛られない旅に出る

京都府京都市にある東三条院阯の石碑。病に倒れた当時の後朱雀天皇が里内裏として居住していた場所で、尊仁親王を東宮とする詔は、ここで発せられたという。

 

 源倫子(みなもとのりんし/ともこ/黒木華)に呼び出された藤式部は問われるままに、これまで隠し通してきた藤原道長との関係を語った。想像以上に長く、深い二人の結びつきを聞かされ、倫子は動揺を隠せなかった。

 

 その頃、宮中では公卿の顔ぶれが道長の頃からすっかり代替わりを果たしていた。道長の後を継いだ嫡男・藤原頼通(よりみち/渡邊圭祐)が立派に職務を遂行するようになった一方、道長は娘である藤原妍子(けんし/きよこ)や藤原嬉子(きし/よしこ)を立て続けに失い、生きる気力を奪われていた。

 

 倫子の招きで屋敷を訪れた式部は、死の床にある道長と対面する。息も絶え絶えに新しい物語を望む道長に対し、式部は毎日見舞いに訪れることを約束。二人にしか分からない、道長のためだけに紡ぎ出した物語を少しずつ、語り聞かせた。そうしてまもなく、道長は息を引き取った。

 

 道長が帰らぬ人となった翌年、式部は再び乙丸(おとまる/矢部太郎)を連れ、旅に出た。嵐の到来を予感しながら、式部は道長への想いを胸に歩を進めるのだった。

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小野 雅彦おの まさひこ

秋田県出身。戦国時代や幕末など、日本史にまつわる記事を中心に雑誌やムックなどで執筆。近著に『「最弱」徳川家臣団の天下取り』(エムディエヌコーポレーション/矢部健太郎監修/2023)、執筆協力『歴史人物名鑑 徳川家康と最強の家臣団』(東京ニュース通信社/2022)などがある。

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