【夏休みの自由研究】あなたは祖先のこと知っていますか?令和版名字ランキング上位のルーツを探る!
わたしの身近なモノ・コト・ヒト
「好きなことや夢中になれることが分からない」キッズたちへ、皆さんの身近に存在しているモノ・コト・ヒトから歴史をたどってみよう!名字の歴史を知ることは、自分のルーツを知ることにも繋がります。前回の日本の名字ランキングトップ5に続き、今回は「令和日本の名字ランキング」第6位から10位のルーツを探っていきます。
〝好きこそものの上手なれ〟という諺(ことわざ)が存在するくらい、好きなことには夢中になりやすいはず!
でも、「好きなことや夢中になれるが分からない…」という歴史人キッズたちへ。
皆さんの周り何気なく存在しているモノ・コト・ヒトから歴史遊びをはじめてみよう!
■名字のはじまりって?
現代に生きる私たちが何気なく使っている名字のルーツは、今から約1400年前から存在していました。
私たちの身近には、〝歴史が何気なく存在している〟んですね。
しかし、これはあくまでもルーツ。
名字を誰もが当たり前にもつことができたのは、今から約150年前の明治8年(1875)。新政府が「平民名字必称義務令(へいみんみょうじひっしょうぎむれい)」を公布したことで、すべての国民が名字を名乗ることが〝義務〟となりました。
名字を決めるには以下のような〝4大ファクター〟がありました。
①地形や風景
②地名
③方位方角
④「藤原」にあやかる
つまり、名字は少ない文字の中に、祖先たちの情報を私たちに繋いでくれている『バトン』といえます。
■第6位 伊藤:三重県伊勢市が発祥の地!
伊藤氏のはじまりは、平安時代末期。
藤原秀郷の子孫、尾藤景綱が伊勢国に住んだことから『伊勢の藤原』を略し、伊藤を名乗ったとされています。

伊勢海老も「伊勢」が名前に入っているね!
現在でも発祥地の三重県では圧倒的な最多姓となっています。
他にも岐阜県で2位、愛知県で3位など東海地方には特に多い名字。
16都道府県でベスト10に入っている名字です。
■第7位 山本:多くの人が住んだ〝山の麓(ふもと)〟が由来!
『山本』という地形や地名に由来する名字。
山本という地名は山際に多く分布し、全国で「山のふもと」を意味する山本氏が誕生しました。
古来、日本で山の麓に住むことが多かったのは、平地は農耕に用いられ、山の麓のゆるい斜面が住宅地にあてられたためです。

滋賀県長浜市に所在している山本山 ©(公社)びわこビジターズビューロー
近江国浅井郡山本郷(現在の滋賀県長浜市湖北町山本)が発祥の地とされています。
この地には清和源氏の流れをくみ、もっとも繁栄した名字です。
■第8位 中村:中心的な集落を表す全国的名字!
「中心的な村」を意味する中村氏は、各地に地名があり、名字もそれらから栄えました。
最多姓となっている都道府県は鹿児島のみですが、東西にまんべんなく、28都道府県でベスト10に入っています。

鹿児島県にある手打麓武家屋敷跡
■第9位 小林:関東甲信越に集中!小さな林のある土地
「小さな林」がある土地を意味する地形由来の名字の典型名字の小林氏。
全国いたるところに雑木林があるにも関わらず、特に関東甲信越に集中しています。

雑木林のイメージ
埼玉県と県境にある群馬県藤岡市小林という土地周辺には86基の古墳があり、古代から有力な豪族がいたことを物語っています。
このあたりが小林姓の大きな源流であった可能性が高いと考えることができます。
■第10位 加藤:武人をたくさん輩出(はいしゅつ)した名家の証!
加賀の藤原氏を意味する、加藤氏。
平安時代中期、前九年の役で功績をあげた藤原景通(ふじわらかげみち)が加賀介となり、加藤を名乗ったことがはじまりといわれています。

愛知県名古屋市に所在している加藤清正像
景通の子・景員は伊勢に下向して伊勢加藤氏となりました。美濃国から尾張国に移った一族からは、多くの有名な戦国武将が登場しました。
幼い頃から豊臣秀吉に仕え、武士として出世した加藤清正がその筆頭です。
名字監修/森岡浩
歴史人2021年2月号より
あなたの名字には、どんなルーツがあるのかな?
今年の夏休みは、身近なモノ・コト・ヒトから歴史を探ってみよう!