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島津姓発祥の地と島津氏の栄華を伝える仙巌園 悠久の歴史と文化を体感する特別な旅へ【おとなのプラチナ旅】


阪急交通社の大人気企画「おとなのプラチナ旅」第7弾は九州のグルメ、大自然、そして歴史を満喫する超豪華プラン。ABCテレビ「おとなのプラチナ旅 in 九州~美食と湯けむり満喫ツアー~」で高橋ひとみさんと勝村政信さんが訪れたスポットに秘められた壮大な神話と歴史の物語をご紹介しよう。4回目となる今回は、島津氏にまつわる歴史を観光スポットと共に巡る。


 

 一時期は九州全土をも征したこともあった名門・島津家。その島津姓発祥の地となった都城島津邸を皮切りとして、島津家ゆかりの地を巡り歩くのがオススメ。別邸ではあるものの、世界遺産の構成資産ともなった反射炉を擁する名園・仙巌園も必見。島津家の先進性や技術力の大きさに目を見張らされてしまうのだ。

 

■島津氏を語る上で欠かせない都城島津邸をひと巡り

 

 「おじゃったもんせ」(ようこそおいでくださいました)

 ボランティアガイドさんから、笑顔と共に、こう気軽に出迎えてもらえるのが、都城市の文化財にも指定された都城島津邸である。ここは一つ、ガイドさんたちに身を委ねて、存分に邸内巡りを楽しんでみることにしたい。今回は、宮崎県や鹿児島県に点在する島津家ゆかりの地のめぐり歩きが目的だ。その皮切りが、ここ都城島津邸なのだ。

 

 一般的に島津といえば、多くの人が真っ先に鹿児島県のことを思い浮かべるに違いない。しかし、実は宮崎県南西部も薩摩藩の領域であったことも見逃してはならない。そればかりか、宮崎県都城市に至っては、島津家を語るにあたって、決して見逃してはならない重要なところだったから目が離せないのだ。

 

 それはなぜか?実は、島津姓の始まりが、ここだったからである。何はともあれ、その経緯を振り返ってみることにしよう。

 

 時は、文治元年(1185)というから、源義経が壇ノ浦の戦いにおいて平家一門を撃ち破って、今まさに源氏の世が訪れんとしていたその頃のことである。この年の8月に、当時日本最大級とも謳われた島津荘の下司職(管理人)に、比企能員に仕えて平家追討にあたっていた惟宗忠久が任命されたことが発端であった。推挙したのは源頼朝。鎌倉に幕府を開く前のことである。この忠久が、地頭となって管理する荘園の名をとって、島津姓を名乗ったのがそもそもの始まりであった。これが、当地を「島津姓発祥の地」といわれるようになった所以である。

 

 その都城の地に代々禄を食んでいた都城島津家が、明治12年(1879)以降住み続けたのが、ここ都城島津邸なのだ。敷地面積は約5000坪というから、ざっとみて東京ドームの三分の一の広さ。とてつもなく広いというべきだろう。そこに、本宅を始め、石蔵、外蔵、御門、厩、社、日本庭園などの他、剣道場や都城島津伝承館までが連なるという壮大なお屋敷であった。

 

 築造年は建物によって異なるとはいえ、慶応3年(1867)に建造された後当地に移築された剣道場や、明治15年(1882)に購入して同じく当地に移築された外蔵等々、歴史的建造物がひしめいているのも特徴的。入母屋造りの本宅には太い杉材が使用される他、雪見障子や大きな大理石の踏み石などもあり、贅を極めた造りとなっている。また、鯉やスッポンなどが生息するという日本庭園内の池に湧く水も豊富で、一度も枯れたことがなかったとか。

都城島津邸
提供:宮崎県観光協会

■名園・仙巌園内に設けられた反射炉は必見

 

 さて、島津姓発祥にまつわるお話を終えたところで、いよいよその本家にあたる島津家ゆかりの地へと移ろう。舞台は、鹿児島県鹿児島市吉野町である。ここは薩摩藩主島津氏の別邸ではあるものの、国の名勝に指定されるほどの名園・仙巌園(別名・磯庭園)が必見。園内にある反射炉が、世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の構成資産となっているから見逃せないのだ。鹿児島市へと赴いたとすれば、何としても訪ねておきたいところの一つである。

 

 建設されたのは、万治年間(16581661年)というから、江戸時代も初期の頃のこと。第19代薩摩藩主・島津光久の別邸として建設されたものであった。嘉永5年(1852)には、第28代当主・島津斉彬が主導して集成館事業も始まった。富国強兵を目指して園内に建造されたのが反射炉で、いまも石組みが残されている。かつては高さ16mもの巨大な炉がそびえて活躍していたという。残念ながらその勇姿は、もはや垣間見ることはできないが、往時を想像しながら、薩摩藩の先進性や技術力の凄さに思いを馳せてみたい。

 

 それ以外にも、銅製の瓦が吹かれた錫門や、丸十紋と桐紋が彫られた高さ7mもの正門などがそびえる等々、見どころが満載。そして忘れてならないのが、御殿前から鹿児島湾に浮かぶ桜島の勇姿を仰ぎ見ることである。目の前にドカ〜ンと腰を下ろすその大パノラマが、まさに圧巻! これを目の当たりにできただけでも、大満足と思えてしまうのだ。

仙巌園と桜島

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過去記事

藤井勝彦ふじい かつひこ

1955年大阪生まれ。歴史紀行作家・写真家。『日本神話の迷宮』『日本神話の謎を歩く』(天夢人)、『邪馬台国』『三国志合戰事典』『図解三国志』『図解ダーティヒロイン』(新紀元社)、『神々が宿る絶景100』(宝島社)、『写真で見る三国志』『世界遺産 富士山を行く!』『世界の国ぐに ビジュアル事典』(メイツ出版)、『中国の世界遺産』(JTBパブリッシング)など、日本および中国の古代史関連等の書籍を多数出版している。

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