浅井長政が継承した「権力」の不安定さ
武将に学ぶ「しくじり」と「教訓」 第64回
■組織内の「権力」バランスに翻弄される
若くして家督を継いだ長政は、戦の面では有能な国人衆に支えられ、また内政面では父久政に助けられていたようです。また京極家の存在も排除しきれませんでした。
しかし、その反作用として、家中の「権力」バランスが複雑になり、織田家からの離反についても長政の意思がどこまで反映されたのかは不明です。
現代でも、先代社長が会長として残り、ベテラン社員が影響力を持つ複雑な「権力」構造を有する組織で、市場の変化において二代目社長の舵取りが効かず、迷走してしまうことは多々あります。
浅井家は滅ぼされてしまいますが、長政の血筋は三姉妹のお江(ごう)を通じて、皇室に連なりながら残されていくことになります。
ちなみに、お江を母とする徳川家光(いえみつ)は、外祖父にあたる長政に中納言を追贈し、その名誉回復を図っています。