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「刀伊の入寇」で唯一恩賞を得た大蔵種材

紫式部と藤原道長をめぐる人々㊻


12月1日(日)放送の『光る君へ』第46回「刀伊の入寇(といのにゅうこう)」では、藤式部(とうしきぶ/のちの紫式部/吉高由里子)が異国の軍隊に襲われる。一方、出家した藤原道長(ふじわらのみちなが/柄本佑)は、穏やかな日々を過ごしていた。


■藤式部が異国の襲撃に巻き込まれる

福岡県太宰府市にある大宰府政庁跡の石碑。「刀伊の入寇」は大蔵種材が大宰大監の在任中に勃発した。種材は「岩間将軍」の異名で知られ、「天下無双の弓馬の達者」だったと伝わる。

 大宰府で周明(ヂョウミン/松下洸平)と20年ぶりに再会した藤式部は、彼の案内で大宰府の政庁を見学することになった。そこで大宰権帥として赴任している藤原隆家(たかいえ/竜星涼)を紹介され、太閤・藤原道長や太皇太后から式部を丁重にもてなすよう言付かっていることを聞かされる。

 

 しばらくの滞在の後、式部は次の旅先である松浦に向かうことにした。周辺の地理に詳しい周明を途中までの案内人として、式部は旅立った。

 

 その頃、九州地方は異国の軍勢に襲撃されるという未曾有の危機に見舞われていた。隆家はすぐさま兵を編成し、迎撃体制を整える。

 

 式部が船越津にたどり着いた頃、敵の軍勢と鉢合わせする形で襲われた。地元民とともに逃げ惑うなか、大宰府から双寿丸(そうじゅまる/伊藤健太郎)らが駆けつけ、その場は激しい合戦の場と化した。

 

 周明に手を引かれ、戦場から逃れようと必死の式部だったが、流れ矢が周明の胸を貫くのを目の当たりにしたのだった。

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過去記事

小野 雅彦おの まさひこ

秋田県出身。戦国時代や幕末など、日本史にまつわる記事を中心に雑誌やムックなどで執筆。近著に『「最弱」徳川家臣団の天下取り』(エムディエヌコーポレーション/矢部健太郎監修/2023)、執筆協力『歴史人物名鑑 徳川家康と最強の家臣団』(東京ニュース通信社/2022)などがある。

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