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【光る君へ】夫・宣孝のほかにもロマンス多数!? 史実でも「不実な女」だったのか? 紫式部の恋愛遍歴

日本史あやしい話59


NHK大河ドラマ『光る君へ』第25話では、まひろ/紫式部(吉高由里子)がついに藤原宣孝(佐々木蔵之介)と結婚。元カレ・藤原道長(柄本佑)がショックを受ける展開が話題になった。まひろは宣孝に「私は不実な女でございますが、それでもよろしゅうございますか?」と問いかけたが、史実でも紫式部には夫のほかに想い人がいたのだろうか? 彼女の恋愛遍歴について探ってみよう。


 

■夫・宣孝のほかにも様々な相手と浮き名を流していた

 

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 堅物と思われがちな紫式部だが、恋愛遍歴はなかなか華やかである。彼女は20近くも歳の離れた藤原宣孝と結婚しているが、実のところ、夫以外にも、村上天皇の第四皇子・具平親王や、紀貫之の息子・時文などと浮名を流したと見られることもある。

 

 そして、『光る君へ』でフォーカスされている道長とも、恋仲であったという説がある。これらが本当なら、彼女も実は、恋多き女性だったと見なすべきだろう。

 

『源氏物語』の中で、恋に奔放な光源氏を存分に描ききることができたというのも、作者である紫式部自身が経験豊富だったからと考える方が自然だろう。『紫式部日記』の中で、和泉式部の素行を「感心できぬ」と言い放っているが(和泉式部は、和泉守・橘道貞という夫ある身でありながら、冷泉天皇の第三皇子・為兼親王やその同母弟・敦通親王とも浮名を流した)、本当に彼女がそう言い切る資格があったのかどうか、それは実のところ、疑わしいと言わざるを得ないのである。

 

 ともあれ、あらためてこの時代の中〜上流階級の女性たちを振り返ってみると、思いの外、男女関係は奔放であったことがわかる。夜這いの風習をも含め、色恋に関しては、現代よりも遥かに自由で、かつ「情」に溢れるものだったのである。

 

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藤井勝彦ふじい かつひこ

1955年大阪生まれ。歴史紀行作家・写真家。『日本神話の迷宮』『日本神話の謎を歩く』(天夢人)、『邪馬台国』『三国志合戰事典』『図解三国志』『図解ダーティヒロイン』(新紀元社)、『神々が宿る絶景100』(宝島社)、『写真で見る三国志』『世界遺産 富士山を行く!』『世界の国ぐに ビジュアル事典』(メイツ出版)、『中国の世界遺産』(JTBパブリッシング)など、日本および中国の古代史関連等の書籍を多数出版している。

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