令和と平安のファッションを比較して発見!ユニセックスは「進化」ではなくおしゃれの「原点回帰」!?
平安時代のおしゃれさん
〝美しさ〟の基準は、時代やそれぞれの好みによって異なるもの。では、平安時代はどのようなスタイルをしていると〝おしゃれ〟
歴史人Kidsをご覧のみなさん、こんにちは。tomekkoです。
今回の『平安貴族のおしゃれさん』はファッション編!
美しく染め上げられ、たっぷりと生地を重ねた装束が目を引く平安貴族のファッションですが、その特徴を現代と比べて見てみましょう。
まず現代、令和のファッション傾向を見てみましょう。

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多様性やジェンダーフリーの考え方が最も取り入れやすいのがファッション。
年々男女どちらでも着られるデザインやフリーサイズで作る“ユニセックス“ブランドやアイテムが増えています。
でもそれはただ女性がボーイッシュな服装になったということではないんですよ。男性でもスカートのようなボリュームのあるボトムを履くなど、昔なら性別ではっきり分けられていたようなアイテムをどちらの性別にも寄りすぎないデザインで気軽に身につけられるようになりました。
女の子らしく、男のくせに、と当たり前のように言われた昭和生まれにしてみれば『進化』に見えるこのトレンド。
では平安時代はどうでしょうか?

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男性、女性それぞれ着るもののデザインは皆一緒で服装そのものには個性がありません。
だからこそ“色“が重要。
女性のまとう通称十二単は同じ形で違う色の衣を何枚も重ね着して「襲の色目」を見せセンスを競いました。
同系色でグラデーションを楽しんだり、季節の草花をカラフルな色づかいで表したりと限られた条件の中でおしゃれを楽しみました。
現代と大きく違うのは『禁色』があること。
天皇の勅許がないとフォーマルな場で着てはいけない色がありました。男女ともに赤・青・紫色や特定の織物が禁色とされていました。
これらを着ることを許されることを「色許るさる」と言い、名誉なことで特別感が出るのでここぞとばかりに着て自慢していたようですね。
現代と平安時代、比べてみると共通点があることに気づきませんか?

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そう、平安時代の服装はとてもゆったりしていて結構ユニセックス。この時代は特に女性側に寄る形ですが、リラックスした服装になるほど男女の差がなくなっていくのです。
絵巻物には自宅でくつろぐ男性の姿が描かれていますが、冠を被っているものの首から下は女性と全く同じ緋の長袴に袿と呼ばれる衣を重ねた姿。
また身につける色も、現代では昔のようにピンクや赤は女の子の色!なんて言われなくなりましたが、平安時代は身につける色の自由度は性差よりは身分の違いの方が大きかったようですね。
男性の正装である衣冠束帯で着用する黒が女性の衣服には無いぐらいでしょうか。
『源氏物語』では白に赤い生地を透けさせてほんのりピンクに見える「桜襲」の直衣を着た光源氏の美しさが褒め称えられているんですよ。
このように、ぱっと見全然違うように見えて実は現代と近いところも多い平安時代のファッション。ユニセックスは「進化」ではなく「原点回帰」なのかもしれませんね!